以前「がっちりマンデー」の「日本の最後の砦」という企画の中で紹介された「中島重久堂」の鉛筆削りがあまりに削れるのを見て欲しくなり、鉛筆用とコスメ用の両方を買ってきました。
「TSUNAGO(つなご)」で有名になった中島重久堂
短くなった鉛筆は、キャップを付けて伸ばすしかありませんでした。しかし中島重久堂さんが短くなった鉛筆をドッキングして使える鉛筆削りを販売して、爆発的に売れていました。
短い鉛筆がよみがえる 「つなぐ」鉛筆削り
「短くなった鉛筆をつなげて1本の鉛筆に」。斬新なアイデアを実現した国産鉛筆削りが、国内外で大きな話題を呼んでいる。
その名は「TSUNAGO(つなご)」。芯を尖らせるのではなく、鉛筆を繋ぐのに特化した3つの削り穴を持つ、“工作鉛筆削り”だ。第一の穴で鉛筆の後端を凹型に削り、第二の穴で別の鉛筆の先端を凸型に削る。第三の穴で削り跡を整えたら、凹凸をドッキング。最後に結合部を接着剤で固めれば、長い一本の鉛筆が誕生する。
後略
朝日新聞:2015年12月9日
http://www.asahi.com/and_M/living/SDI2015120744321.html
鉛筆を日常的に使う人に良い商品ですね。ちなみに現物はこちらです。
創業80年を越える「中島重久堂」
北陸の発明家が持ち込み、共同で開発して大ヒットした「TSUNAGO」は、大阪府松原市の工場で、日本で唯一残った鉛筆削りを作っている「中島重久堂」が製造しています。
中島重久堂は昭和8年に創業した会社です。最初はペン軸や煙草パイプを製造していましたが、第二次世界大戦の頃、石油が入らなくなり、工場は一次休業。
戦後、昭和20年代に入り、日本で初めての「プラスチック射出成形機」を作って、鉛筆削りを作り始めました。作られた鉛筆削りは、国内の文房具メーカーへ供給されるOEM製品として、現在も量産されており、国内シェアは8割を誇る会社です。
がっちりマンデーに登場
がっちりマンデーに登場したのは、2015年9月13日に放送された「日本の最後の砦!」企画の中でした。この企画は最後の一社になって製品を作り続けている企業の紹介で、中島重久堂さんは「鉛筆削り」を作る最後の一社として登場したのです。
■鉛筆削りでがっちり!「中島重久堂」!
ここ中島重久堂は、色鉛筆などに付いているミニ鉛筆削りを守る最後の砦!
中島社長:我々の会社がなくなれば、日本の鉛筆削りを作れるところは無くなると自負を持ってやっています。
気合十分!それもそのはず昨年の出荷数は600万個!おみそれしました。1960年代の高度経済成長期には、このミニ鉛筆削りを十数社が製造、販売。ところが、シャープペンシルや、ワープロの普及により鉛筆の売上が落ちるにつれ、一社減り、二社減り、気が付けば、ライバルは、安い鉛筆削りを作る海外メーカーだけ国内に残ったのは中島重久堂ただひとつ。では、安い海外製品を相手にどうやって砦を死守しているのですか?
中島社長:やはり刃の部分の出来具合ですね。
そう、中島重久堂は、刃が違う!そこで海外製と中島重久堂でどれくらいちがうのか、切れ味を比較してみると、まずは海外製品。削りカスがパラパラと落ちてしまう。こうなると後片付けが面倒くさい。一方中島重久堂のものは、まるでリンゴの皮をむくようにスイスイ削れていく。削りカスを並べるとその差は歴然!
後略
http://www.tbs.co.jp/gacchiri/archives/2015/0913.html
放送を見ていて驚いたのですが、中島重久堂の鉛筆削りは、削りカスが途切れないのです。その切れ味の良さが、品質の良さが、国内外の発注が途切れず、最後まで残った理由です。
購入した削り機
中島重久堂の作る「鉛筆削り」の刃には、「JAPAN NJK」という刻印があるので、それを頼りに探して買ってきました。購入したのは、「DAIGO 細軸用鉛筆削り(5.5mm軸手帳専用シャープナー)」「トンボ ippo! Wシャープナー」、そしてコスメ用で無印良品の「木軸ペンシル削り器」です。
鉛筆削りの削りカスの掃除は意外と手間です。しかしこの「ケズリキャップ」にすれば、ペットボトルの中に貯まるので手入れが簡単になります。
刃にしっかり「JAPAN NJK」とあります。
鉛筆と色鉛筆の両方を削れる「シャチハタ ippo! Wシャープナー」は、色鉛筆を使う人に良い商品です。最近は大人の塗り絵が流行っていますし、決して子供だけが購買層ではありません。
こちらも刃に打刻有り。
「DAIGO」のシャープナーは、「DAIGO」の手帳を使っている方や薄い手帳を使いたい、使っている方にしか使いこなせませんが、シンプルで素敵だと思って購入しました。一緒に買ってきた鉛筆には紐がついています。
パッケージの後に「made in japan」確認。
本体に中島重久堂の印「JAPAN NJK」があります。
コスメ用シャープナー(眉ずみ用鉛筆削り)
コスメ用シャープナー探しは、貝印のものやドイツ製のものが多く、難航しました。結局自力では見つけられず、中島重久堂に電話して確認したところ、「無印の二穴鉛筆削り」と「KOSE 鉛筆削り」が、中島重久堂のものだと判明。ただし、KOSEの鉛筆削りは日本製以外のものも混在しているそうで、日本製のものであれば中島重久堂のものだそうです。
KOSEのものを見つけられなかったので、無印のものを買ってきました。しかし無印さんのものには「MJK」の刻印がありませんでした。これはきっと「無印」のイメージを維持するためでしょうね。見つけられないわけです。
無印のものには「JAPAN NJK」の刻印がありません。これはきっと「無印良品」というブランドの製品だからでしょう。しかし、中島重久堂の鉛筆削り器は基本的にOEM製品なので、本来はこんな風に刻印が無いのが当たり前なのでしょう。
2017/10/1現在、無印さんは10%オフ中です。ネット在庫が無い場合は、店頭でスマホアプリ「MUJI Passport」を見せるか、MUJIカードで決済すると10%オフで買えますよ。
「中島重久堂」名義のもの(2020/2/15追記)
いつの間にか、中島さんの名前で売られている鉛筆削りが増えていました。とてもシンプルで欲しいけどすでにたくさんあるのでもったいない・・・。なので商品だけご紹介。
最後にひとこと
日本で「鉛筆削り」を作る最後の一社になってしまった中島重久堂さんですが、削っていて気持ち良く感じるほどの鉛筆削りだからこそ、最後まで生き残れたのでしょうね。買ってきた「鉛筆削り」は大事に使います。