ゴキブリ駆除や犬や猫などのノミ・ダニ駆除に用いられる「フィプロニル」という殺虫剤が卵から検出されるという怖い食品事故が欧州で起こっています。しかし私がそれを知ったのは、今日テレビメディアが伝えた韓国での殺虫剤汚染卵報道がきっかけでした。卵は加工食品の材料なので不安です。殺虫剤で汚染された卵が日本に輸入されていないかを調べました。
殺虫剤汚染の卵が欧州を中心に流通中
人体に有害なため使用が禁止されている「フィプロニル」という殺虫剤が卵から検出されたのは今年の6月でした。しかしその時点でベルギー当局が自体を把握していたにも関わらず公表していなかったそうです。まずはそのソースをどうぞ。
殺虫剤汚染の卵、英仏にも流入 欧州で影響拡大
【8月8日 AFP】欧州で殺虫剤に汚染された卵の被害が拡大する中、英仏両政府は7日、汚染された卵が国内に流入している恐れがあると明らかにした。オランダでは多数のニワトリが殺処分される可能性も出てきている。
この汚染問題をめぐっては、ベルギー当局が6月時点で、人体に害を与える恐れのある殺虫剤のフィプロニルが卵などから検出されたことを把握していたものの、公表していなかった。当局は公表しなかった理由について今後、情報を徹底的に開示していくと明言している。
ベルギー当局は7月20日に初めて欧州委員会(European Commission)に汚染問題を報告。以来、同国をはじめ、ドイツ、オランダでは多数の卵がスーパーマーケットの売り場から回収され、スウェーデン、スイスの小売業者も同様の措置を講じている。
欧州委員会は7日、殺虫剤汚染が疑われる卵はドイツ経由でフランスと英国にも流入したことが確認されたと発表。同委員会の報道官は記者団に対し、すべての卵のトレーサビリティー(生産・流通過程の追跡可能性)を確保しているため、スウェーデン、スイス、フランス、英国の各国に検査を委ねたいとした。
英食品基準庁(FSA)は、国内での流通状況を緊急調査しているとしながらも、流通した卵の数は非常に少なく、消費者に健康被害が出る可能性は極めて低いと説明。具体的な数字は挙げていないが、汚染卵は年間輸入量の0.0001%だと述べた。
フランス政府は、オランダから輸入されたフィプロニルに汚染されている卵が中西部の食品加工場2か所で見つかったと発表。ただ同国農業省は、汚染された卵が既に出荷されたかどうかについては即答できないとしている。(c)AFP/Danny KEMP
http://www.afpbb.com/articles/-/3138518
この記事によると、殺虫剤に汚染されている卵はベルギーのものだけではなく、オランダの卵も汚染されていました。大変残念です。
それにしてもベルギーは何故すぐに公表しなかったのでしょうか。記事では「卵の流通にはトレーサビリティがしっかりしているため大丈夫」だと考えているようです。ならばすぐに公表して卵の移動を即停止するなどの措置が取れた筈です。個人的に納得出来る「ベルギーが公表しなかった理由」とは思えません。
別ソースです。
【欧州タマゴ問題】殺虫剤成分含む疑いある製品、フランスのスーパーで回収始まる
ヨーロッパ各地で殺虫剤「フィプロニル」に汚染された卵が見つかっている問題で、フランスにも影響が広がり始めている。農業食料省は、殺虫剤成分を含む疑いのある卵で作られた製品を、対象のスーパーマーケットから回収するよう指示したと発表した。仏メディア「フランス・アンフォ」が報じた。
「フィプロニル」は通常、家畜についたノミやダニの駆除に用いられる殺虫剤で、食品流通に関わる場での使用は禁止されている。大量に摂取すると、神経障害や嘔吐を引き起こす恐れがある。
フランスでは8月11日に、ステファヌ・トラヴェール農業食料相が、フィプロニルに汚染された25万個近くの卵が、4月以降、ベルギーとオランダから仏市場に輸入されたと発表していた。
「ベルギーから来た最初の一群、19万6000個の卵は、4月16日~5月2日に市場に出回りました。これらの卵はすでに消費されていて、健康被害は報告されていません」とトラヴェール大臣は明言。「オランダから来た次の一群には、ロット番号『0NL43651-01』のついた約4万8000個の卵が含まれています。それらは7月19日~28日にかけて小売チェーン『リーダー・プライス』の各店舗で販売されました」と説明した。
「フィプロニルを含む疑いのある製品がフランスのスーパーに置かれているのはあり得ることで、対象製品がやっと特定できました。回収され、結果が分析されることを期待します」と農業食料省の報道官ファニー・モラン氏は述べる。「例えリスクがないとしても、フィプロニルが入っているかいないかについて、消費者は知る権利があります」。
農業食料省は、回収の対象となる食品のブランド名や製品名については明かさなかった。「メーカー側は消費者と同じで、今回の不正行為の被害者です」。モラン氏はこう述べながら、いかなるメーカーのことも「貶める」つもりはないとし、「汚染された疑いがあるのは、ほんのわずかの製品」だと説明。トラヴェール大臣も「私たちが直面しているのは衛生スキャンダルではなく、不正行為。メーカー側もサプライヤーに欺かれたのです」と断言していた。
■限定的なリスク
覚えておきたいのは、フィプロニルに汚染された卵を食べても、少量の摂取であれば健康被害のリスクはごく限られているということだ。
「深刻な健康被害を受けずに済む汚染卵の最大摂取量は、1~3歳の子どもで1日につき1個、成人で1日につき10個」とフランス食品安全庁は見積もっている。また世界保健機関によると、身体に甚大な影響を及ぼすには1日に7~15個の卵を食べる必要があるとも言われている。
HuffPost France | 執筆者: Anthony Berthelier
http://www.huffingtonpost.jp/2017/08/14/oeufs-contamines-au-fipronil_n_17748188.html
投稿日: 2017年08月14日 18時48分 JST 更新: 2017年08月14日 19時07分 JST
このニュースソースでは、少しだけ安心出来る話が出てきました。それはもしもフィプロニルに汚染されている卵でも一日に7個から15個食べるなどしなければ、深刻な影響を受けないという事です。とは言え、気持ちのよい話ではありません。輸入した側のフランスやドイツ、イギリスなどの国々もきっとそうでしょう。
卵は様々な加工品の材料になります。すでに使われて別の食品になって皆の食卓へ上っているでしょう。どうしてすぐに公表しなかったのか。やはりベルギーに対して不満が募ります。
フィプロニルとは
今回大騒ぎになっている殺虫剤「フィプロニル」は耳にした事のある方もいるでしょうし、私も記憶にありました。それは蜂が帰ってこなくなる原因の殺虫剤ではないかと言われており、その手の報道で名前が挙がっていたからです。
神経系の殺虫剤
残念ながら手元の電子手帳で検索しても出てこなかったのでwikipediaを参考にします。
神経伝達物質であるGABAの作用を阻害することによりノミ、ゴキブリ、アリ、アルゼンチンアリ、シロアリなどの駆除に使用される。遅効性の毒物であるため、混ぜたエサを摂食した昆虫が致死するまでに巣やコロニーに戻る時間余裕があることが特徴である。ゴキブリやアリの場合、その死骸やフンを摂食した巣の仲間にまで効力を発揮するため巣の集団全体へその効果が広がっていく。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%8B%E3%83%AB
フィプロニルが入っている殺虫剤は身近にあります。例えばゴキブリ駆除の「コンバット」や犬や猫のノミ・ダニ駆除役「フロントライン」などです。
置けばゴキブリが居なくなる、一滴垂らせばノミ・ダニが居なくなる。考えてみると非常に強い毒性です。恩恵は大きいのですが、良く考えて使用するべき殺虫剤ですね。
蜂群崩壊症候群(CCD)の原因物質?
花粉を運んでくれる蜂は私たちの食料を支えてくれる大切な存在です。その蜂が失踪して巣に帰ってこなくなる問題を聞いた事のある方も多いでしょう。その原因は今回問題になっている殺虫剤「フィプロニル」とする説があるのです。
「フィプロニル」は神経系の殺虫剤ですから、蜂の帰巣本能を狂わせる・・・という可能性は素人の私でも思いつきそうです。しかしこれはまだ仮説の段階なので「原因物質」だと確定していません。どちらにせよ早く特定して欲しいですね。
より詳しいことを知りたい方はwikipediaへどうぞ。
韓国でも殺虫剤汚染卵発見
さて、個人的にはここからが本題です。
欧州で起こっている殺虫剤汚染卵の話が何故日本のメディアがそれほど取り上げなかったのか。それは多分日本への輸入の可能性が極めて低いからだと思います。しかし韓国でも同じように殺虫剤汚染卵が発見されたとなれば話は別です。
その根拠は汚染された卵は加工品に形を変えて日本国内に入ってきている可能性が考えられるからです。
韓国産の卵から殺虫剤検出 出荷中止に
まずはニュースソースをどうぞ。
韓国産の卵から殺虫剤検出 出荷中止に=韓国政府
【ソウル聯合ニュース】欧州で家畜の害虫駆除に使われる殺虫剤の成分が卵から検出され波紋が広がっている中、韓国産の卵からも同じ成分が検出されたことが明らかになった。
韓国政府は15日0時から全国の3000羽以上の規模の農家で生産される卵の出荷を全面中止し、全数検査を開始した。
農林畜産食品部は14日、オーガニック産卵鶏農場を対象に残留農薬の一斉検査を行ったところ、京畿道南楊州市の8万羽規模の産卵鶏農家で殺虫剤の「フィプロニル」が定められた基準値を超えて検出されたと発表した。
また同日、京畿道広州市の6万羽規模の産卵鶏農家では、鶏についたダニから殺虫剤の「ビフェントリン」が基準値を超えて検出された。
フィプロニルが検出された農家の1日当たりの卵の生産量は約2万5000個で、韓国の農家でフィプロニルが検出されたのは今回が初めて。
一方、農林畜産食品部はヨーロッパ産の卵が韓国に入ってきた可能性は薄いとして、広州の農家の場合は夏でダニが多く発生し、薬品を過多使用したものとみている。
殺虫剤が検出されたとの通報を受けた食品医薬品安全処は、該当する地方自治体と協力して南楊州・広州の両市で生産された全ての卵の流通・販売を中止する措置を取った。
正確な流通量はまだ確認されていないが、精密検査で不適格との結果が出れば全数回収・廃棄措置を行う方針だ。
15日0時からは全国の3000羽以上を飼育する全ての農家の卵の出荷を中止させ、該当する農場を対象に3日以内に全数検査を実施する。
当局は、合格した農場の卵のみ出荷を許可する計画だ。
聯合ニュース
朝鮮日報
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/08/15/2017081500716.html
記事入力 : 2017/08/15 11:48
検査しただけマシなんでしょうが、禁止されている人体に有害な殺虫剤を使用してしまう点は大問題です。出荷主も卵を食べるでしょうに何故なんでしょう。しかしそれだけで済まないのが韓国です。実は政府はもっと前に自体を把握していたというから呆れます。ソースをどうぞ。
殺虫剤汚染:4カ月前に把握していた韓国管轄省庁
消費者団体が4カ月前に「フィプロニルなど殺虫剤の成分が含まれている鶏卵が市場に流通しているから早く措置を取ってほしい」と食品関連当局に訴えていたことが明らかになった。それにもかかわらず、食品医薬品安全処(省庁の1つ)のリュ・ヨンジン処長は10日の記者懇談会で「国産鶏卵に対するモニタリングをしているので、国民が安心して食べても問題はない」と話していた。
韓国消費者連盟は「今年4月6日の『流通鶏卵の農薬管理方策討論会』で、既に(殺虫剤の成分で人体に害を与える可能性のある)フィプロニルとビフェントリンが基準値を上回っているサンプル(検体)がそれぞれ1つずつあったと発表した。今年1-2月に国内の大手スーパーなど51カ所で鶏卵のサンプルを手に入れ、2つの分析機関に依頼した結果だった」と16日、明らかにした。同連盟はまた、「当時、討論会には農林水産食品部(省に相当)・食品医薬品安全処の担当職員が出席しており、4月19日に双方に正式文書を送って結果を通知、『殺虫剤成分の検出有無を共同調査しよう』と要請した」と語った。ところが、リュ・ヨンジン処長は16日、国会保健福祉委員会に出席した際、「私が報告を受けていたのは『昨年の調査では異常がなかった』ということだったので、『安心して食べていただいても大丈夫だ』と言った」と釈明した。討論会の出席者は「あの時、食品当局がすぐに対応して市場に流通している鶏卵の調査に着手していたら、現在のような『殺虫剤入りタマゴ』の恐怖や混乱はなかっただろう」と指摘した。
これについて、食品医薬品安全処のヤン・チャンスク農畜水産物安全課長は「4月に韓国消費者連盟の正式文書が届いた時は、既に残留殺虫剤の検査を実施していた。独自の検査では問題がないということだった」と話している。
一方、政府は16日、「殺虫剤入りタマゴ」が出た農家がさらに4カ所確認されたと発表した。人間の肝臓・腎臓などに害を与える可能性があるため使用禁止になっているフィプロニルが検出されたのが1カ所、発がん性物質のビフェントリンが基準値を上回ったのが3カ所だ。フィプロニルが検出された農場は江原道鉄原郡のチヒョン農場で、鶏卵の殻に「09チヒョン」と印字されている。ビフェントリンが検出された鶏卵には「08シンソン農場」「11シオン」「13チョンファ」と印字されている。
政府は、基準値を上回っているかどうかにかかわらず、殺虫剤が検出された鶏卵はすべて回収・廃棄することを決めた。適合と判定された農家241カ所に対しては出荷停止措置を解いた。
キム・ウォンソプ記者 , 金成謨(キム・ソンモ)記者
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/08/17/2017081701029.html
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
市民団体は「フィプロニル」だけでなく、発ガン性のある「ビフェントリン」の基準値オーバーについても指摘していました。それも4ヶ月前からということですから、欧州よりもずっと前に把握できていたことになります。
市民団体が頑張っていたのに非常に残念な結果ですね。この時点でしっかり対処していればこれほどの問題にはなっていないでしょう。
日本の鶏卵の輸入状況
卵は生ものですから輸入は無いだろうと思いつつ、実情を知りたいので調べました。
卵は95%が国内産、5%が輸入
「農林水産物 品目別参考資料 平成27年11月」がweb上にありました。少し前の資料ですがそれを参考にします。
直接資料をご覧になりたい方は移動して下さい。様々な食品の輸入状況が記載されています。
http://www.maff.go.jp/j/kanbo/tpp/pdf/151224_sankou_part4.pdf
卵の輸入についての概要です。日本では国内消費の5%に当たる量の卵が輸入されているそうです。そしてその輸入された卵は7割がかまぼこなどの練り物の材料、3割がお菓子や菓子パンなどの材料になっていました。
輸入国のグラフです。一番多いのはオランダです。これは問題です。今回の殺虫剤汚染卵はベルギーとオランダのものからも見つかっているからです。
グラフでその他になっている輸入国はこちらの資料でほぼ明らかになっていました。これを見ると残念ながら中国が含まれています。が、韓国はありません。これが今回一番ほっとしました。
まず輸入されたオランダ産の卵が汚染されているかどうかが問題
日本にオランダ産の卵が輸入されているとわかりましたが、その卵が汚染されていると確定していないことを念頭に置いて下さい。ここで冷静さを失って「危険」だと騒ぎ、結局日本に入ってきていたものは大丈夫でしたということになれば、オランダ産卵への風評被害になるからです。
資料を見ると汚染されている可能性のあるオランダ産の卵が原料である「卵黄(乾燥)」「全卵(乾燥)」「卵白アルブミン(乾燥)」が国内に入ってきていると判ります。一番多いのは「卵白アルブミン」でした。が、どういうものなのか不明なので手元の電子辞書で調べました。
卵白アルブミン(egg albumin)
卵白として存在するアルブミンのこと。アルブミンは多くの動植物組織に存在する単純蛋白質の一種。水,希塩溶液,希酸および希アルカリに可溶,有機溶剤には不溶。熱で凝固。炭素,水素,酸素,窒素,硫黄を含む。卵白アルブミンには成分として少量の糖質も含む。
ブリタニカ国際大百科事典より
加熱すると凝固する性質があるので、恐らくですが、かまぼこなどの「つなぎ」として使用されているのではないでしょうか。ただ「卵」はアレルギー反応を引き起こす食材でもありますから、それほど多様されているとも思えません。しかしそれでも心配な方は、かまぼこなどの練り物を購入の際には「国産」や「無添加」のものを選べば大丈夫そうです。
加工品への使用状況
オランダ産の卵が日本に輸入されていることからその行方が気になるところですが、もう一つ注意するべきことはイタリアやフランス、ドイツ、イギリスなどの欧州から入ってきている卵を使用した「加工品」です。
2017/8/18放送のテレビ番組「スッキリ」では、イタリアから入ってきている加工品を店頭から撤去し、販売を見合わせる措置をとっているお店について報道されていました。現在メーカーに確認中だそうです。素早い対応、素晴らしいですね。
卵は加工品に使われやすい材料です。状況がはっきりするまでは欧州から輸入された卵使用の加工品の購入を控えておくのも良いでしょう。
農林水産省は調査中
記事にする以上、オランダ産の卵の状況を知りたいため、昨夜農林水産省へ問い合わせメールを送りました。ただし今現在調査中なので時間がかかるかもしれません。ソースをどうぞ。
広がる“汚染卵” 殺虫剤検出…そのワケは
ヨーロッパでニワトリの卵から、殺虫剤の成分が検出され、大きな社会問題となっている。さらに、韓国でも鶏卵農場の卵から同じ殺虫剤の成分が検出され、出荷や販売が中止されるなど、困惑が広がっている。
■14日、韓国当局が国内の鶏卵農場への残留農薬検査をしたところ、使用が禁止されているフィプロニルなどの殺虫剤が検出された。
■韓国・ソウルの食堂を訪ねると、「“安全”な卵を使用している」と出入り口にわざわざ表示していた。
■フィプロニルとは、犬や猫のノミやダニを駆除するために使われる殺虫剤。鶏への使用は禁止されている。また、ヒトが大量に摂取すると、腎臓や肝臓、甲状腺にダメージを与えるおそれがあるという。
■韓国当局は15日、全国1456か所すべての鶏卵農場の出荷を停止。鶏卵の検査を実施したところ、17日午前5時時点で、31の農場でフィプロニルなどが検出され、それらのすべての鶏卵は回収されたという。
■韓国当局は検査に合格した農場の出荷を許可し、流通の約90%が回復。18日には正常通りになる予定だという。
■殺虫剤が検出された“汚染卵”は、すでにヨーロッパでも見つかっていた。フィプロニルを使用していたとしてオランダ、ベルギー、ドイツ、フランスの鶏卵農場が閉鎖。さらに、輸入するなどしてイギリスやイタリア、スペインなどでも“汚染卵”が確認された。これまでに100か所以上の養鶏場が閉鎖され、26人が逮捕されている。
■農林水産省によると、昨年度、日本国内で消費された鶏卵のうち輸入されたものはわずか3.5%。韓国からの鶏卵の輸入はなく、それ以外の国については調査中だという。さらに、卵を使った加工食品についても調査中としている。
■一方、イギリス当局は、フィプロニルは相当量を摂取しなければ影響が出ないので、今回の“汚染卵”の人体への危険性は低いとみている。
日テレニュース24:2017年8月17日 19:16(動画なのでいずれ消されると思われます。)
http://www.news24.jp/articles/2017/08/17/10370053.html
日テレニュース24のソースでは日本国内で消費された鶏卵のうちゆにゅうされたものはわずか3.5%ということです。そして「韓国からの鶏卵の輸入も無い」とのこと。
卵の状況としては最新情報なので安心しました。調査結果とメールの返信が届き次第、追記しますね。
大騒ぎする前に真偽の確定を待ちましょう
最初のソースで触れたフランス食品安全庁の「フィプロニル」についての見解をもう一度引用しておきます。
■限定的なリスク
覚えておきたいのは、フィプロニルに汚染された卵を食べても、少量の摂取であれば健康被害のリスクはごく限られているということだ。
「深刻な健康被害を受けずに済む汚染卵の最大摂取量は、1~3歳の子どもで1日につき1個、成人で1日につき10個」とフランス食品安全庁は見積もっている。また世界保健機関によると、身体に甚大な影響を及ぼすには1日に7~15個の卵を食べる必要があるとも言われている。
HuffPost France | 執筆者: Anthony Berthelier
http://www.huffingtonpost.jp/2017/08/14/oeufs-contamines-au-fipronil_n_17748188.html
投稿日: 2017年08月14日 18時48分 JST 更新: 2017年08月14日 19時07分 JST
フランス食品安全庁を信じるなら、仮に日本国内に入ったオランダ産卵が原料の「卵白アルブミン」などが汚染されていても、重篤な健康への影響は低いと思われます。
「食品汚染!」と大騒ぎして集団ヒステリーになりかねない国民性の私たち日本人は、その情報の真偽がはっきりするまで冷静に行動するようにしましょう。それでもどうしても怖い方は卵の入っているものは食べずにいれば精神衛生は保たれるでしょう。
農林水産省からの返信(2017/8/18)
先述したように農林水産省に「フィプロニル」汚染についての問い合わせをしたところ、本日(2017/8/18)の14:01に返信が届きました。そこには厚生労働省で公開されたばかりの「フィプロニル」汚染Q&A」へのリンクが記載されていました。
厚生労働省で公開された「フィプロニル」汚染Q&A」
誘導されたリンク先にいくと「EU(欧州連合)等における鶏卵のフィプロニル汚染に関するQ&A」のPDFファイルへのリンクがあり、詳細がわかりました。PDFファイルの資料を元に端的に記載しておきます。
- EUにおける鶏卵のフィプロニル汚染とはどういうものですか?
- ベルギーとオランダで禁止されている殺虫剤「フィプロニル」が使用されている農場から出荷された卵が汚染されている件。関連農場はドイツやフランスにもあるそうで現在当局が調査中です(8/10現在)
- EUから汚染された鶏卵等が日本に輸出されているのですか?
- 今のところ、汚染卵の輸入はありません。ただし、EUからの鶏卵を主要原材料としての輸入があります。粉卵(卵白)5,577トン、粉卵(卵黄)233トン、ケーキ7.7トン、チョコレート234 kg、ビスケット67 kg等があります(直近1年のデータ)
- 韓国でも鶏卵のフィプロニル汚染が見つかりましたが、日本への輸出はないのですか?
- 直近1年で、国内販売を目的とした鶏卵、粉卵及び液卵の韓国からの輸入はありません。ただし、原材料として、鶏卵ケーキ74トン、洋菓子2kg等が輸入されています(直近1年のデータ)
- フィプロニル汚染された鶏卵や鶏卵製品をどのくらい食べると健康に影響が出るのですか?
- 食べたものに含まれている「フィプロニル」の量によるので一概に数値を出せません。しかし、ドイツのドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)が、今回検出されたフィプロニルの最大濃度が含まれているケーキの場合、子ども(1歳、体重10kg)では0.54~1.40kg、成人(体重65kg)では3.40~9.30kgを食べても、健康への影響は無いという試算を出しています。
- 今回の事例を受けて厚生労働省の対応は?
- EUと韓国に輸出されていないか紹介中で、発見された場合は通報するように依頼しています。念のため、検疫所において「フィプロニル」検出検査を行いはじめました。
直接資料をご覧になりたい方はこちらへどうぞ。
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000174796.pdf
今のところは汚染卵の原材料としての輸入はなさそうですが、国内での「フィプロニル」検査が行われ始めたばかりですから油断は禁物です。日本では使用されていないことを祈ります。
それにしても韓国から輸入された鶏卵ケーキ、洋菓子は一体どこのメーカーでどの商品なのでしょうか。個人的に、私はそれが一番不安です。なので今後、突然日本への輸出量が倍増しないかどうか注意したいと思います。
追記:韓国産の卵からDDT検出
韓国で卵を厳密に検査しはじめたら更に何か出てくると思っていましたが、やはりそうなりました。
マラリアなどで困っている一部の発展途上国を覗いて、その環境への負荷、発ガン性から世界的に使用禁止になっている「DDT」が検出されました。詳しい事は当該の記事をお読み下さい。
最後にひとこと
殺虫剤に汚染されている卵が日本でも流通していたらと不安でしたが、殆どが国内で賄われていたので安心しました。それよりも韓国で次々と発覚した殺虫剤汚染卵が形を変えて日本へ輸出されないかが心配です。というのも、ヒ素や大腸菌で汚染された韓国産のミネラルウォーターがろくに回収されないままうやむやになっていたからです。国内で黙って売られ続けたのか、どこか外国へ無理矢理輸出したのか・・・考えたくもありません。やはり韓国産は危険だから避けたいと思うニュースでした。