私は、デザイン重視のヒールやお洒落靴はラボキゴシと銀座かねまつやその他のメーカー、長距離歩行の時はアシックスウォーキングの靴と使い分けています。今日は久しぶりにアシックスウォーキングの靴を買ったので紹介します。
アシックスの歴史
アシックスと言えば、日本を代表するスポーツシューズメーカーで、本社は神戸です。しかしアシックスについて考えた時、私はどうしても「ナイキ」の非道な行為を思い出さずに居られません。主観的ですがナイキとの確執も合わせて、日本人なら知っておいて欲しいので記載しておきます。
元はオニツカタイガー
戦後まもない昭和24年(1949年)、鬼塚喜八郎氏がバスケットシューズの販売で創業したのが鬼塚商事でした。
創業者の鬼塚氏は全国を歩き回り、選手や監督への聞き取りをして製品開発をすすめ、高校の運動部を中心にその製品は広まってゆきます。シューズの名前もその頃に、俊敏な動きをする虎にあやかった「オニツカタイガー(当初の希望「虎印」は商標が取れなかった為)」となりました。その後もたゆまぬ努力を続けた結果、1964年に開催された東京オリンピックでは鬼塚の靴を履いた選手が素晴らしい成績を収めました。
ナイキとの確執
1963年、一人のアメリカ人青年フィル・ナイトが日本へ卒業旅行にやってきていました。彼はその時「オニツカタイガー」のシューズの素晴らしさに注目し、創業者である鬼塚氏に直談判した結果、フィル青年とビル・バウワーマンというオレゴン大学の陸上コーチをしていた人物の協力を得つつ、アメリカでの代理店BRS社(ナイキの前身)を設立し、アメリカでのオニツカタイガーシューズの輸入販売を始めました。
技術者の引き抜き、提訴と散々な目に
提携関係になった当初はBRSとの関係は良好でした。しかしその後、BRS社はオニツカから技術者を引き抜きし、後のブリヂストンとなる福岡のアサヒコーポレーション(現アサヒシューズ)と契約して自社製品を製造し始めました。それが「ナイキ」です。
提携関係中にバウワーマンから提案されたデザインを採用していたため、オニツカタイガーはそのデザインの使用を禁じられたり、名前の使用について提訴されたりと散々な目に遭います。結果、和解金として1億数千万円の支払いをさせられたそうです。
この件について鬼束喜八郎もショックを受けていました。日本経済新聞で連載されていた「私の履歴書」において「BRS社と販売会社設立の計画を進めていたところ、日本の商社の勧誘で他のメーカーからの仕入れに切り替えてしまった。驚いた私はすぐに別の販売店と契約したが、日本の商慣習になじまないそのドライな行動に裏切られた気がしたものだ。」「まずいことにBRS社が使っていたニックネームを引き続き使ったため、その使用権の帰属をめぐって対立、訴訟を起こされた。結局和解に応じたが、和解金額は弁護士費用を含め1億数千万円。海外展開するうえで良い経験だったとはいえ、高い授業料を払わされた。これが後に急成長したナイキである。」と当時を振り返っています。
素晴らしいと思って販売代理店をさせて欲しいと願った青年は、後ろ足で砂をかけて出て行くような人だった。私はどうしてもそう感じてしまいます。ただビジネスの世界ではごく当たり前なのかもしれません。実際、ナイキは世界的なブランドとなり、大人気です。フィルとバウワーマンは大成功しました。
しかし私はこの事を知ってからナイキの製品だけは買うまいと思いましたし、実際買っていません。感情的と言われようと、日本人の感覚では受け入れがたい行為だからです。
昭和52年(1977年)アシックスに
色々トラブルに見舞われたオニツカタイガーですが、昭和52年(1977年)、スポーツウェア・スポーツ用具のメーカーである株式会社ジィティオ、更にスポーツウェアメーカーであるジェレンク株式会社と合併して株式会社アシックスと社名を改め、鬼塚氏は社長に就任しました。
その後、平成4年(1992年)には会長職に退き、平成19年(2007年)に心不全で亡くなるまで、会長職であり続けました。享年89歳でした。お葬式にはイチロー選手や高橋尚子選手も参列しています。間違いなく、日本のスポーツ界を牽引した方でした。
アシックスウォーキング歩人館とは
歩人館は、アシックスの直営店です。お店では3次元足形計測器を使って自分の足のサイズを測ってもらえます。そしてその測定結果に合わせて、適切な靴を提案してくれるのが特徴です。
靴ではなくインソール(中敷)をオーダーメイドで作ってもらう事も可能です。
足のカルテ
測定した結果はカードに記載して渡してくれます。こちらは私のカルテ。(10年前に作ってもらったものなので多分今は違う形式だと思います)
当時、ご覧の通り測定結果がワイズBで、店員さんに「ありゃ。薄い足ですねえ。合う靴がないでしょう?」と言われました。その言葉にもショックを受けたのですが、もっと驚いたのは自分の足が23cm未満だったことです。それまではごく当たり前に23.5cmの靴を選んで買っていましたし、デザインによっては24cmも履いていたからです。まさに思い込みで靴を選んでいた証拠です。ちゃんと測定することは大切だと思い知らされました。
初めてのアシックスシューズ
「合う靴が殆どない」と言われたものの、店員さんは細めでストラップ付きか紐靴なら大丈夫だからと靴を二つ持ってきてくれました。ラボキゴシの記事でも言及していますが、待っている間に手にしていた靴は「合いません」と取り上げられたのも今はいい思い出です。
その時に購入した靴がこちら。型番は不明です。シリーズは「WALLAGE」です。今はもう無いかな?
細身で美しいデザインな上紐靴だったので、甲の低い私の足にも見事にフィットしました。当時、店員さんのお見立て通りで感動しました。わりとヒール高がある靴ですが足の痛みは全く無し。やはり測定した結果に基づいて勧められた靴は足に合っていたんですね。
当時たしか2万円を余裕で越えていたので「うっ」となりつつ購入しましたが、ここまで長持ちしているのだから大正解の投資でした。まだまだいけそうです。
pedala(ペダラ)
アシックスウォーキングには色んなシリーズがあります。足裏への衝撃を和らげてくれるクッション性に優れていて、軽い靴のラインナップの「pedala(ペダラ)」は、私が好んで購入しているシリーズです。この度、数年ぶりに購入致しました。型番はWPY665です。でもサイズはなんとEEE。3Eなのに履いてみるとフィットしたので驚きました。
一見すると甲高の靴に見えますが、土踏まずの部分がしっかり盛り上がっており、私の薄い足を持ち上げてくれるため、ぴったりフィットしたようです。しかし私の足に合うという事はかなり細めな靴ではないか?と思っています。何にせよ履いてみてぴったりだったので無問題です。
初日は靴擦れを起こさないかと緊張しつつ履いて出かけましたが、途中で痛くなることも靴擦れも無し。この靴も長く愛用できそうです。当たりのお買い物でした。
同じデザインっぽいものはまだ売られています。しかもお安くなっているのでサイズが合えばお買い得です。
2020年の母の日プレゼントで贈ったペダラWC080B
2020年の母の日にペダラの軽くて歩きやすいと評判だったウォーキングシューズをプレゼントしました。型番はWC080Bです。
インソールも交換できるのがいい。母は自分の特注のものを入れて試しばきしてとても歩きやすいと喜んでくれました。つかもともと付いているインソールはなぜこんな派手なんだろう?
同じもの。
ペダラ WP274T
母に新しい靴をプレゼントしたら自分も新しい靴が欲しくなってしまい、買ってしまいました。でも今はお店には行けないので、アマゾンのワードローブを利用しました。
アマゾンのワードローブは1週間の試着が出来るサービスで、返品無料です。靴はどうしても試着しないとわからないのでとてもありがたいサービスでした。
ちなみに返品の箱もラベルも用意されているので、サイズが合わなければそのまますぐに返品できます。凄いです。
というわけで、返品することなくかった、アシックスのペダラ、クッションスリッポンです、型番はWP274Tです。ワイズは2E。あ、こちらはインソール交換できません。でも土踏まずは盛り上がっていていい感じ。
ヒールではなく上品な感じで歩きやすい靴がほしいと探していたら、きれい目でもカジュアルでもいけそうなこの靴を見つけたのです。
しかも口コミはとても歩きやすいと高評価。そして実際、買ってみたところ、確かに歩きやすくて、あたりでした。
同じもの。そうそう、アマゾンは突如セールや割引クーポンを出していることがあり、今回はその割引で15%オフで買えたのでお得でした。定番のデザインは滅多に安くならないのでありがたい。
過去に買ったpedara(ペダラ)
今までにもアシックスのシューズを買っていますが、現在残っているのはこのpedara(ペダラ)のスニーカー一足だけです。
ちなみにこれは歩人館でセールをしていた際に購入したのですが、スニーカーは靴底が削れてもソールの取り替えが出来ないので履き潰したらお別れです。
色んなメーカーのスニーカーを履いてきました。しかしスニーカーにも合う合わないがあり、疲れにくいものがあることを知る事ができたのはアシックスの靴がきっかけです。と言っても、アシックス以外のメーカーでもフィットして疲れにくいものもあります。重要なのは、サイズが合っているかどうかや土踏まずがどんな感じかなどをしっかり把握した上で靴を選ぶことです。
なので、足形計測器のある歩人館(無いお店もあるので)に行き、計ってもらってみてください。計るだけでも大丈夫ですよ。(私は最初計っただけで逃げました)
気になっているasicsの靴
実はブーツも欲しい。
口コミに「奇跡の歩きやすさ」と書かれていたので非常に気になっているヒールです。そこまで言わせるなんてかなり興味が。一度試し履きしてみたいです。
いつの間にかなくなっていました。記録として型番「WP163M」を残しておきます。奇跡の歩きやすさをもっと早く試すべきだった。(2020/11/2追記)
最後にひとこと
健脚を保つためには自分の足形把握と正しい靴選びが重要です。一般的に日本人は足の甲が高めで幅広が多いと言われていますが、実際に測定してみると違っていることも多々あるそうです。本当は甲が低く、幅も狭い靴かもしれません。是非一度騙されたと思って測定しに行って下さい。その方が脚に優しい生活を送れますよ。
アシックスではありませんが、ニューバランスの細めの足にぴったりのウォーキングシューズを買いました。こちらはベトナム製です。詳細は個別記事で。