宇部興産の製造した膨張剤に金属片が混入した恐れがあるとして、膨張剤が使用されているお菓子を製造しているロッテが151万個を自主回収しはじめました。宇部興産の膨張剤はロッテ以外にも使用されているので、よく食べるお菓子が対象になっていないか確認してください。
ロッテの「チョコパイ」など151万個自主回収中
まずはソースをどうぞ。
ロッテ、「チョコパイ」など151万個回収 宇部興産関連、金属片混入
ロッテは20日、滋賀県と福岡県の工場で製造したチョコレート菓子の一部に金属片が混入した恐れがあるため自主回収すると発表した。「チョコパイ 6個入り」約35万個や「ビックリマンチョコ〈悪魔VS天使 第33弾〉」約14万個など、全国で販売した8品目の計約151万個が対象。菓子に使う膨張剤を納入した宇部興産の設備トラブルが原因とみられる。
ブルボンも20日、同様の理由でチョコ菓子など7品目の計約60万個を自主回収すると発表し、影響が広がっている。
ロッテの「チョコパイ 6個入り」は、賞味期限が2019年8月18~21日の商品で、ほかに「和のチョコパイ〈黒蜜きなこ〉個売り」や「チョコパイパーティーパック 9個入り」なども回収対象とした。健康被害の報告はないという。
産経スポーツ:2019.3.20 11:14
https://www.sanspo.com/geino/news/20190320/tro19032011140001-n1.html
原材料にトラブルがあったおかげで回収になるのは気の毒です。
原材料を製造したのは宇部興産
お菓子にはカカオや小麦、砂糖以外にも、お菓子によって、ふんわりさせたり膨らませたりする「膨張剤」として「重炭酸アンモニウム」が使用されています。
今回はその「重炭酸アンモニウム」を製造している宇部興産の製造ラインで使用されているステンレス製部品に破損が発見され、製造していた「重炭酸アンモニウム」に混入した可能性が高いとして、検査記録と照らし合わせて浮かび上がった期間内に製造された製品を納品した顧客(ロッテなど)に出荷停止の依頼をして対応していました。
しかし最初に割り出した出荷期間より前の「重炭酸アンモニウム」に異物混入の報告があったため改めて、製品の検査記録、製造期間、顧客への出荷期間を調べ直して、結果的にさらに大規模な自主回収となっています。
社内検査で金属片が発見されたのは2019年2月21日ですから、正直対応が遅いと思います。再発防止のための新たな策が必要です。
詳しくは宇部興産の当該のページで確認してください。
膨張剤とは
先述したように「膨張剤」とは、お菓子などをふっくらさせるために使われるものです。しかしその種類は、イースト菌などの天然素材と今回問題となった化学的な素材があります。
個人的な意見ですが、できれば合成された食品添加物の「膨張剤」やベーキングパウダーよりも、イースト菌、あるいは、卵白を泡立てて膨らませるなどしたお菓子の方が身体には良いと思います。
実際、「膨張剤不使用」のお菓子はあります。今回のリコール騒ぎを機会にそういうお菓子を選ぶようにするのも良いでしょう。
調べたら膨張剤不使用のクッキーやフィナンシェなどの焼き菓子を作っている「パントリーアンドラッキー」という会社がありました。良かったら参考に。ちょっと食べてみたいな。通販で注文してみようかしら。
アルミフリーベーキングパウダー(2019/3/21 追記)
食べたときの感触をふっくら、優しくしてくれる「膨張剤」はお菓子には必須と言ってもいい原材料の1つです。しかしイースト菌で時間をかけて膨らますのは大量生産するお菓子では非効率的です。そこで混ぜるだけですぐにその効果を得られる化学的な「膨張剤」が活躍します。
しかし回収騒ぎで、その膨張剤の代表的なベーキングパウダーに「アルミフリー」いう記載があるものを見つけました。まず「ベーキングパウダー」にアルミが入っていることに驚いてしまいました。どういう役目なのか、必須なのか調べました。
アルミニウムとは
アルミニウムは土や水、空気等に広く含まれている成分でした。そのため、土や水からアルミニウムを吸収した農作物にも含まれています。
アルミニウムは、天然にも土壌、水、空気中のちりなどに広範に存在します。土壌などから吸収されたアルミニウムが野菜、穀類、魚介類などに微量に含まれるほか、膨脹剤、色止め剤、品質安定剤などの食品添加物にアルミニウムが含まれています(表1参照)。
アルミニウムに関する情報(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/aluminium/index.html
そこらじゅうにあるので、必要以上に警戒するようなものではないだろうというのが、私の最初の印象です。
アルミニウムの毒性
どんなものでもそうですが、摂取が多いと身体に悪い影響を与えます。アルミニウムもそうで、ラットにアルミニウムを多量投与したところ、腎臓や膀胱への影響、握力の低下があったという実験結果があります。
ラットを用いた動物実験では、アルミニウムを多量に投与したときに腎臓や膀胱への影響や握力の低下などが認められています。
アルミニウムに関する情報(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/aluminium/index.html
厚生労働省の資料では、一般的に流通している食品に含まれているアルミニウムは、健康を害するレベルではないものの、子供にはその許容量を超える可能性があり、低減することが推奨されていました。
今回の調査結果では、アルミニウムの摂取量の平均値は、すべての年代層で許容量を下回っていました。しかしながら、アルミニウムを多く含む食品を 多く食べる一部の小児で許容量を超える可能性があり、また、国際的にもアルミニウムを含む食品添加物の基準の設定や見直しが進められています。
関係業界においては、これまでもアルミニウムを含む食品添加物の使用の低減化に向けた取組みを行っていますが、現在、我が国ではアルミニウムを含む食品 添加物の使用基準(使用量の上限)は設定されていません。このような状況を踏まえ、厚生労働省では、より高い水準での安全性を確保する観点から、パンと菓 子類に膨脹剤として使用される食品添加物(硫酸アルミニウムカリウムと硫酸アルミニウムアンモニウム)について、以下の取組みを行うこととしました。
(1)関係業界に対して、さらなる自主的な低減化の取組みを依頼する。
(2)現状の使用実態を確認した上で、使用基準を検討する。アルミニウムに関する情報(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/aluminium/index.html
アルミニウムの摂取量は全年齢層で許容量を下回っているので、心配する必要はありません。しかしお菓子をよく食べる子供のお菓子には「アルミニウムフリー」のものを選ぶと良いでしょう。
しかし一般的に売られているお菓子で「アルミニウムフリー」はあまり無いので、アルミフリーのホットケーキミックスや「アルミフリー」のベーキングパウダーでクッキーなどを作るのが手っ取り早いかもしれません。
グルテンフリーもありました。
今回始めて知ったのですが、缶入りのがあるのですね。湿気なさそうだし、アルミフリーだし、今あるものが無くなったらこれに切り替えよう。
素材にこだわってお菓子を作りたい人は、富澤商店で買いそろえると良いと思います。私はときどきここのアーモンドなどのナッツ類などを買っています。
金属片混入で回収となったのは複数の企業
私が最初に知った金属片混入での自主回収企業はロッテでしたが、他にブルボンやヤマザキなどのメーカーも自主回収の憂き目に遭っています。それぞれの対象商品と回収後の対応です。
ロッテの対象商品
ロッテの対象商品は8種類あります。商品名と賞味期限(ロット番号)です。
プチブッセ〈テイスティバニラ〉 | 2019.08.19、2019.08.20、2019.08.21、2019.09.03 |
ゼロ シュガーフリーケーキ | 2019.09.11 |
ビックリマンチョコ〈悪魔VS天使 第33弾〉 | 2020.02 |
チョコパイ 6個入り | 2019.08.18、2019.08.19、2019.08.20、2019.08.21 |
和のチョコパイ〈黒蜜きなこ〉個売り | 2019.08.17 |
ぼくらのビックリマン〈スーパーゼウス編〉 | 2A1259~4259、2B1259~4259、3A1159~4159 |
チョコパイパーティーパック 9個入り | 2KD199、2KE199、2KN199 |
世界を旅するチョコパイ〈苺とショコラで仕立てたフレジェ〉 | 2KD259~289、2KE259~289、2KF269~289、2KN259~289、3KD019、3KE019、3KF019、3KN019 |
現在一番被害が大きいのは151万個回収のロッテのようです。しかし対象商品がある場合はクオカードで返金してくれますので、家にないか調べましょう。詳しくはロッテの公式の当該ページで確認してください。
ちなみに我が家にはロッテのお菓子は1つもありませんし、もう何年も買っていませんし、今後も買いません。韓国系企業であることも理由の1つですが、それよりもロッテのチョコの原材料は植物油脂がメインなので身体に良いとは思えません。その証拠にココアも販売されていません。
チョコレート菓子を食べるなら、ココアの販売されている森永や明治などを選ぶと良いと思います。詳しくは個別記事「安くて美味しいチョコレートパイなら森永のガトーショコラがおすすめ」を参考にどうぞ。
ブルボンの対象商品
ブルボンも回収中です。ソースをどうぞ。
ブルボン、菓子60万個回収 「アルフォートミニチョコレート」など ロッテも
ロッテとブルボンは20日、チョコ菓子などの一部に金属片が混入した恐れがあるため自主回収すると発表した。ロッテは8品目の計約151万個、ブルボンは7品目の約60万個が対象。菓子原料に使う膨張剤を納入している宇部興産の製造設備の破損が原因となった可能性があり、影響が広がっている。
中略
ブルボンは「アルフォートミニチョコレート」や「プチチョコチップ抹茶」、セブン-イレブンなどで販売している「セブンカフェごろごろチョコのチョコチップクッキー」などを回収する。
後略
産経スポーツ:2019.3.20 11:54
https://www.sanspo.com/geino/news/20190320/tro19032011540002-n1.html
ブルボンの対象商品は7種類あります。商品名と賞味期限(ロット番号)とJANコードです。
プチチョコチップ抹茶 | 2019.11(MU 19E12) | 4901360287932 |
プチチーズ | 2019.11(MU 19E12) | 4901360272716 |
プチ黒ココア | 2019.11(19E13 ~ 14) | 4901360300952 |
チョコダイジェスティブビスケット | 2020.02(MI 19E13) | 4901360332120 |
アルフォートミニチョコレート | 2020.02(19E12 ~ 14) | 4901360245567 |
セブンカフェごろごろマカダミアナッツのキャラメルクッキー | 2019.4.26(MU 19E12) | 4901360332519 |
セブンカフェごろごろチョコのチョコチップクッキー | 2019.4.27(MU 19E13) | 4901360332526 |
ブルボンの対象商品がある人は、ブルボンの対応先の住所に商品を着払いで送りましょう。商品金額相当額のクオカードを送付してくれます。詳しくはブルボンの公式で確認してください。
商品回収に関する詳細のブルボンのpdfファイルはこちら。
ヤマザキビスケットの対象商品
ヤマザキビスケットも回収中です。ソースはこちら。
ヤマザキが「ノアール」など菓子14万個回収 金属混入恐れ
ヤマザキビスケットは19日、菓子の「ノアール」と「ルヴァンプライム」の一部に金属片が混入した恐れがあるとして、計約14万8000個を自主回収すると発表した。菓子の製造で使う膨張剤を納入している宇部興産の製造設備の破損が、金属片混入の原因となった可能性がある。客からの問い合わせはなく、健康被害の報告はないという。
回収対象はいずれも賞味期限が2020年1月の商品で、18枚入りの「ノアール」は製造番号が「C05A107~414」「C06A107~413」「C11A107~415」のもの。
また50グラム入りの「ルヴァンプライムミニサンドチェダーチーズ味」は「C05A107~715」、18枚入りの「ルヴァンプライム薄焼きサンドホワイトチェダーチーズクリーム」は「C11A07~14」がそれぞれ対象。
後略
産経スポーツ:2019.3.19 12:47
https://www.sanspo.com/geino/news/20190319/tro19031912050002-n1.html
回収中の商品と製造番号(ロット番号)です。
ノアール(18枚入り) | C05A107~414、C06A107~413、C11A107~415 |
ルヴァンプライムミニサンドチェダーチーズ味(50g) | C05A107~715 |
ルヴァンプライム薄焼きサンドホワイトチェダーチーズクリーム(18枚入り) | C11A07~14 |
ヤマザキは対象商品を返送したら返金してくれます。家にないか確かめましょう。詳しくはヤマザキのサイトで確認してほしいのですが、この記事を書いている3月20日14時5分現在、この件のニュースリリースは発見できませんでした。対応中だと思うので公開されたらリンク先を載せます。
2019/3/20 20時追記
ヤマザキビスケット内にニュースリリースが発表されていました。私が「ヤマザキビスケット」で探さず「ヤマザキ」のページで探していたことが原因です。申し訳ありませんでした。というわけで、詳しいことはヤマザキビスケットのニュースリリースで確認してください。
製品回収に関するお詫びとお知らせ ヤマザキビスケット株式会社(pdfファイルです)
http://www.yamazaki-biscuits.co.jp/owabi.pdf
最後にひとこと
今のところ健康被害は出ていないので一安心ですが、さらに回収対象の商品が増えないことをいのります。これほどの大きな回収になる前に、金属混入が発見できるような新しい対策が必要です。