世界中で返品されて「中国製マスク」を日本の神奈川県も購入していました。当然のごとく、不良品で1枚も配れていない有様です。取り上げます。
中国製マスクを50万枚購入し、1枚も配れず
まずはソースをどうぞ。
50万枚の中国製医療用マスク、性能不備で1枚も配れず…県が購入した経緯を追及
新型コロナウイルスの感染者受け入れ病院などに配るため、神奈川県が購入し、4月下旬~5月上旬に納品された中国製の医療用防護マスク50万枚の一部に不良品が見つかり、一枚も配備できないまま保管されていることが18日、分かった。県内で1日あたりの新規感染者が2桁に上る日が続き、入院患者も多かった時期に、医療現場にマスクが届かなかったことになる。
県によると、県内の医療機関では、4月には医療用防護マスクの在庫が減り、切迫した状況にあった。そのため、県は4月16日、通商会社「越洋通商」(東京)から約1億3000万円で中国製の50万枚を購入する契約を結び、4月30日と5月7日に納品された。
しかし、5月25日に第三者機関を通じてマスクの性能などを検査したところ、後日、サンプル8枚のうち5枚が高性能のN95マスク相当の機能を有していないことが判明。県は中等症患者を集中的に受け入れる「重点医療機関」などにマスクを配備する予定だったが、不良品が混在していると判断し、中止した。現在は、国からのマスク配備などもあり、在庫に問題はないという。
県は越洋通商に対し、代替のマスクを6月29日までに納品するよう要請している。同社側も応じる意向を伝えてきているというが、納入が遅れたり、再び不良品が混じっていたりした場合は契約を解除し、代金の返還や違約金を求める。
このトラブルを巡っては、複数の県議が「県がなぜ越洋通商を選び、契約したのか、経緯を確認していく」と語っており、開会中の議会で追及する構えだ。
県の担当者は取材に、「契約当時は国内メーカーから調達できる状況になく、緊急を要したため、この会社と契約した」としている。
読売新聞オンライン:2020/06/19 11:34
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200619-OYT1T50153/
医療マスクの在庫が少なくなって焦ったのでしょうけど、お粗末ですね。
中国製マスクの返品問題
武漢ウイルス、いわゆる新型コロナウイルスによる武漢肺炎のパンデミックにより、世界中で医療用マスクの需要が高まりました。
その状況を利用しようと中国は大量のマスクを用意して「マスク外交」なるものを展開しましたが、不良品が多く返品が相次ぎました。
製品不良は中国製マスクだけでなく、検査キットも返品が相次いでいます。
中国政府が取り締まる事態へ発展
世界中からの返品、返金要求が起こり、流石に慌てた中国政府は中国国内のマスク製造工場を摘発し始めました。
中国で押収された「問題アリ」のマスク、8904万枚以上に―中国紙
2020年4月26日、人民日報は、中国の国家市場監督管理総局がこの2カ月余りの間に全国で不合格品のマスク8904万枚を押収したことを明らかにしたと報じた。
記事は、国務院新聞弁公室の26日の記者会見の中で、国家市場監督管理総局の甘霖(ガン・リン)副局長が2月13日より実施している「マスクなどの防護製品の違法製造販売特別取り締まり行動」の成果について発表したと紹介。「行動開始以降、各行政レベルの市場監督管理当局や合同予防コントロール体制内の関係当局が速やかな取り締まり行動を展開している」と語ったことを伝えた。
そして、今月24日までの2カ月余りの間に、全国の市場監督管理当局が延べ1192万7000人の取り締まり係員を出動させ、1589万5000軒の業者を検査し、問題のあるマスク合計8904万6000枚、その他防護用品41万8000点、消毒殺菌用品760万9000元(約1億1600万円)分を押収したことを明らかにしたとしている。
同副局長によれば、マスクなどの違法製造販売の摘発件数は2万9906件でそのうち2万6605件が立件され、罰金と没収金額の合計は3億5000万元(約53億3000万円)に上ったという。(翻訳・編集/川尻)
レコードチャイナ:2020年4月27日(月) 15時0分
https://www.recordchina.co.jp/b801425-s0-c30-d0135.html
中国政府による摘発件数は2万9906件。そりゃ不良品だらけになるとしか。
売れなくなった中国製マスク
このような有様でしたから、中国製マスクの信頼は失われました。結果として、中国国内メーカーが倒産の危機に陥っていることが報じられています。
中国の「マスク外交」、海外から次々返品され産業壊滅の危機
中国が発生源とされる新型コロナウイルへの感染が世界中に拡大したことによるイメージ悪化を解消しようと、中国共産党指導部は、各国にマスクや医療用品などを贈る「マスク外交」を大々的に展開した。当初は歓迎もされたが、その後はマスクなどの品質が基準を満たしていないことが発覚し返品の山となった。
このため、中国ではマスク用原料の不織布「メルトブローン」の価格が暴落し、一時は1トン45万元(約765万円)まで高騰した価格も2000元(約3万4000円)と225分の1になり、マスク製造会社は操業停止に追い込まれていたことが分かった。中国紙『新京報』などが報じた。
中国製マスクが国際的な医療基準を満たしていないことを最初に明らかにしたのはオランダだった。オランダ保健省は3月28日、中国から届いた130万枚のマスクについて「フィルターに欠陥があり、顔にもフィットできない『粗悪品』」と断定し、中国に送り返した。
これをきっかけに、他の国々も次々と中国製マスクは不良品だとして、市場に出回らないように処分するなどしている。オーストラリア政府は4月初旬、約80万枚を税関で押収。フィンランド政府も4月8日、中国から200万枚のマスクは「すべて不良品」と認定。EUは「中国製マスクは濾過率が不足しており、感染のリスクが高まる可能性もあり、使用しないように」と警告。カナダ政府も4月下旬、100万枚を送り返した。
極めつけは米食品医薬品局(FDA)で、5月7日、中国企業60社以上に対して、米国市場に向け高性能マスク「N95」を輸出する許可を取り消したのだ。
これらの影響をもろに受けたのがマスク製造関連の中国企業だ。各国政府によるあまりに厳しい対応に、中国政府が指導に乗り出し、ほとんど企業が操業停止処分を受けることになった。
これが、メルトブローンの価格暴落理由である。さらに、マスクの製造機械も一時は通常価格の12.5倍の15万元と跳ね上がったが、マスクの製造がストップすると、値が付かず、業者は鉄くず同然の価格で処分せざるを得なくなったという。いまやマスク製造会社の大半は大赤字を抱えて、ほとんどが倒産状態だ。
ネット上では「自業自得だ。市場を甘く見ていた、つけが回ってきた。中国企業の安かろう悪かろうという体質を変える良いチャンスだ」などのコメントが書き込まれている。
2020.06.17 07:00 NEWSポストセブン
https://www.news-postseven.com/archives/20200617_1570064.html
アメリカが中国企業に「N95」マスクの輸出許可を取り消すまで至った結果、中国政府が乗り出して、多くのマスク製造企業が操業停止処分を受け、マスク製造のための機械もただの鉄塊と化してしまったわけです。
米消費者に生まれたメイド・イン・チャイナへの拒否感
中国が展開した「マスク外交」によって得られたのは、「中国製」の商品に対する信頼失墜でしたアメリカの消費者が拒否感を示している調査結果が発表されました。ソースはこちら。
中共ウイルス発生後、米消費者が中国製を敬遠=米調査会社
米市場調査会社コアサイトリサーチ(Coresight Research)が6月3日に発表した調査報告書によると、アメリカで中国産の製品に不安を感じ、中国製品の購入を控える消費者が増えていることが明らかになった。世界ファッション&ビューティ・トレンド情報ネットワーク「WWD」が報じた。
同調査によると、「中共ウイルス」(新型コロナウイルス)の発生により、米国の消費者の「メイド・イン・チャイナ」に対する意識が大きく変化していることが分かった。回答者の半数近く(47%)は、アメリカの小売業者が中国からの製品調達を減らすべきだという項目に同意している。それに対して、「メイド・イン・チャイナ」を受け入れた回答者は5人に1人に止まっているという。
この結果は、中国からの商品調達に依存しているブランド店や小売業者に警鐘を鳴らすことになった。米国の小売業者は中国に過度な依存をしていないか、彼らの顧客がそれをどう理解しているかという観点から、サプライチェーンを見直し、再構築すべきだと、同報告書は述べている。
後略
大紀元:2020年06月17日 15時41分
https://www.epochtimes.jp/p/2020/06/58258.html
長年、中国製を不買していきた私としては時代が追いついてきたと思いました。しかしこの件をきっかけに「中国製」の品質アップ、安全性のアップが起こることが大切です。
国産品がなくなってしまった製品は外国製に頼るしかないのが現状ですから、中国製が安心できるものになることは、私を含めた世界中の人が喜ぶことでしょう。
是非今回の件を猛省し、良い製品を製造するようになって欲しい。それは中国国民の幸せにも繋がります。
神奈川県の問題点
記事を読むと基準を満たしたマスクを6月29日までに再納品してもらうことになっており、実現しなければ返金してもらうことになっています。しかし「ダメだったら返金」では済みません。
命を守る最前線で必要な物資が必要な時にないことは大問題です。神奈川県は早急に原因究明、対策を講じる必要があります。
返品報道は3月29日から
中国製マスクの返品問題は、afp通信が2020年3月29日に報じていました。内容は、先述したように3月28日にオランダが中国から輸入したマスクを品質基準を満たしていないとして回収しているという発表、その後の報道では、4月8日にはフィンランドがマスクと個人用防護具が基準を満たしていないと発表したこともありました。
契約は4月16日
世界中で中国製マスクの返品が相次いでいることが報じられてから2週間は経過した後になる4月16日に神奈川県は通称会社「越洋通商」を通し、1億3000万円で50万枚のマスク購入という契約をしています。
これは事前情報収集不足だったのではないでしょうか?
遅い検品
中国製の医療用マスク(N95)は、4月30日と5月7日の二回に分けて納品されていますが、その製品の検品は5月25日に行われ、8枚のうち5枚が基準に満たないという結果が出ています。
最終納品が5月7日ですから、検品は2週間以上経ってから行われています。これも遅いのでは?
のんきな中国へのマスク寄付
もちろん神奈川県内における医療用マスクの枯渇問題が深刻だったことは理解できます。しかしこのような事態を想定せず、のんきに中国へ寄付していたことは忘れてはいけません。
中国の友好都市にマスクなど支援物資 相模原市
中国湖北省武漢市を中心に新型コロナウイルスによる肺炎患者が拡大している問題で、相模原市は30日、友好都市の中国東部・無錫(むしゃく)市に、支援物資としてマスクを1万枚、ウイルス感染の防護服一式を220セット送った。無錫市から支援要請があったという。
発送したのは、市保健所が備蓄していた医療用のサージカルマスクと、感染防止に有効なN95マスク、防護ガウン、ゴーグル、手袋などのセット。職員が同日午後、市役所から運び出し、車に積み込んだ。
無錫市は上海の近くに位置する、人口約650万人の大都市。相模原市によると、30日午前11時時点で10人の患者が確認されている。29日に「市を挙げて感染防止と治療に取り組んでいるが、医療物資が不足している」とメールで要請があった。
社会 神奈川新聞 2020年01月31日 05:00
https://www.kanaloco.jp/article/entry-257481.html
マスクや防護服、友好都市の中国・揚州市へ 厚木市など
中国湖北省武漢市を中心に新型コロナウイルスによる肺炎患者が拡大している問題で、厚木市と市立病院、東名厚木病院は31日、市の友好都市の中国・揚州市に、不足するマスクや防護服セットを無償で送った。
3者が発送したのは、医療用サージカルマスクとN95マスク計2万100枚、防護服やキャップ、マスクなどのセット計350組。
揚州市から1月28日、厚木市に有償での提供を求める要請があり、3者は友好都市への支援を無償で行うことを決めた。
段ボールには、中国語で「揚州がんばれ! これは日本の厚木市からの支援物資です(マスクなど)緊急に必要です。日本厚木市」と書いた張り紙もした。2月4日に現地に到着する予定。
政治行政 神奈川新聞 2020年02月01日 05:00
https://www.kanaloco.jp/article/entry-258736.html
貴重な医療物資を後先考えずに寄付していたのは神奈川県だけではありません。これは今後、全国の自治体への聞き取り調査をすべきでしょう。
そして命に関わる物資を個々の自治体が勝手に寄付できないように止めることができる仕組みを作った方がよいと考えます。外国優先の身勝手な行動をさせてはいけません。
危機意識の薄い自治体は猛省を
正体不明の感染症が発生し、日本への上陸も危惧されている中で、医療物資を外国へ提供することは愚かとしか言いようがありません。
「友好都市からの要請で断れなかった」も言い訳になりません。行政の仕事は目下住民を守ることが最優先です。何事にも優先順位があるのです。そんな当たり前のことを理解せず、外国を優先するような自治体では困るのです。
今回の担当者の情報収集不足と合わせて、天災だけでなく疫病発生時のマニュアルを見直す必要があるでしょう。二度とやってはいけません。
最後にひとこと
報道されたのは神奈川県の中国製マスク不良ですが、他の自治体もやらかしているのではないでしょうか。続報がある気がします。