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JA高知県が仁井田米偽装|JAが農家を裏切る深刻な病巣

JA高知県 仁井田米 偽装 古米 高知県 JA 食品偽装・産地偽装
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お米が大好きです。なので毎日必ず食べています。しかしそのお米が「JA」によって偽装されていた事件が昨年起こっていました。ちょっと酷すぎると感じたので取り上げておきます。

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JAがブランド米の産地偽装

まずはソースをどうぞ。

ブランド米の産地偽装が発覚 JA高知県の「仁井田米」

JA高知県は10月30日、四万十営農経済センター(四万十町)の職員4人が、ブランド米「仁井田(にいだ)米」の産地を偽って販売するなどの不適切事案が3件あったと発表した。販売期間は昨年10月から今月21日までで、不適切に売った商品の販売額は総額約1600万円。

盆地の四万十町仁井田地区で作付けされた仁井田米は県内ではおいしい米として知られ、JA高知県はホームページでブランド米として紹介している。JA高知県によると、昨年10月から今年9月21日まで、中土佐町大野見地区で生産された昨年産の白米(ヒノヒカリ)575袋(1袋30キロ)を四万十町産と表示し、「仁井田米」として売っていた。

両町産のヒノヒカリは販売価格が変わらないというが、担当した職員2人は「四万十町産の数量が少ないので補塡(ほてん)しようとした」と話し、四万十町産がより売れるとの認識を持っていたという。

ほかに昨年11月から今年10月19日まで、通常の方法で栽培した昨年産の米156袋を農薬の使用回数などを半分以下に減らした「特別栽培米」と偽って販売。特別栽培米の単価が高いため、売り上げが本来より計約8万円多くなった。西日本では昨年産米の作柄が悪く、職員は取引先との契約数量を確保するためと説明しているという。今年5月から10月21日まで、大型乾燥貯蔵施設に残った別品種の米が混じっていることを知りながら適切な表示をしなかった玄米と白米計774袋も販売していた。

以下有料記事

朝日新聞:2020年10月31日 10時20分 清野貴幸

https://www.asahi.com/articles/ASNBZ7K8VNBZPTLC01Z.html

今までにも色々産地偽装はありましたが、農家と協力関係にあるはずのJAがやったということに驚きを禁じえません。何を考えてたんでしょうね??理解に苦しみます。

仁井田米とは

お米が好きというのに私は「こしひかり」「あきたこまち」「ななつぼし」くらいしか知らない一般人の私は、今回初めて「仁井田米」という品種を知りました。というわけで少し調べてみました。

読み方は「にいだまい」

基本中の基本ですが、「仁井田米」の読みは「にいだまい」です。私は調べるまで「にいたまい」と読んでました。間違ってました。

産地

「仁井田米」と呼ばれるお米は、高知県四万十町で栽培されたもののみです。

土佐藩の初代藩主山之内一豊公が、現在の四万十町(旧窪川町)一帯を「仁井田郷」と呼んで記していたことから、この地域で採れるお米を「仁井田米」と呼ぶようになったそうです。歴史がありますね。

品種

高知県のお米は「コシヒカリ」「ヒノヒカリ」「にこまる」「南国そだち」「よさこい美人」が栽培されています(参考:JA高知県 まさか栽培品種まで偽装はしてないだろう)「コシヒカリ」程度しか知らない私にはとても特徴的な名前の品種があると勉強になりました。

四万十町で栽培される「仁井田米」を通販サイトで見て回ってみたところ、「ヒノヒカリ」が多く他に「にこまる」「幻の香り米」がありました。

香り米(かおりまい)

またしても初めて知る名称「香り米(かおりまい)」がでてきました。「なんじゃそりゃ」と調べてみると、「香り米」とは稲、米から香りのする品種のことで、高知県では「ヒエリ」という香り米が古くから栽培されています。他に「十和錦(とうわにしき)」も栽培されています。

「ヒエリ」という品種は一番香りが強いそうで、1割ほどまぜて炊くと美味しいそうで、それが混ぜられた「ヒエリ入り」の仁井田米も販売されています。

調べるきっかけになった「幻の香り米」は、「十和錦」という品種で、50年ほど前に高知県十和地域で生まれたもので、トウモロコシのような香ばしい香りがするそうです。最近は栽培している農家が少ないそうで希少品だとか。

どちらもどんな香りなのか少し気になりますが、個人的にまずは「仁井田米」として味わいたいので、最初に買うなら「香り米」なしがいいかなあ。

美味しさの理由

「仁井田米」は、高知の清流四万十川の綺麗なお水と、日当たりの良い山に囲まれた、昼夜寒暖差のある場所で育つことでその美味しさが生まれるそうです。うーん食べてみたい。もちろん偽装されてないやつを。

収穫時期

今後、食べようと思う人は知っておいたほうがいい収穫時期です。基本的に高知県で出回るお米より遅めだそうで、通常の仁井田米は9月に新米を収穫して、10月中旬ごろから出回ります。減農薬されるなどした特別栽培米はさらに遅く、11月上旬頃になります。

というわけで、食べたい人は10月中頃から通販ショップをチェックですね。ちなみに現在も買えます。

農水省の調査中にも偽装

昨年発覚して以降、当然農林水産省の調査も入っています。しかしその調査中にも偽装を行っていたということから、JA高知県の体質はかなりひどく、病巣は根深い。ソースこちら。

JA高知県 国の調査中も「仁井田米」偽装表示

JA高知県(武政盛博組合長)は16日午後、新たに発覚した2020年産「仁井田米」の偽装表示について正式発表した。2019年産の古米を混ぜたものを2020年産と偽るなどして10月に計1・4トンを販売したという。今年8月以降、農林水産省の立ち入り調査が行われていた最中にも偽装を続けていたことになり、消費者や生産者にあらためて衝撃を与えている。 

JA高知県の説明によると、2020年産の偽装米は、JA高知県の四万十営農経営センター(高岡郡四万十町)が10月16~30日に精米し、高知市と四万十町の小売6店とインターネットを通じて消費者に販売した。

具体的には、2020年産に2019年産の古米を混ぜて1016キロ▽高岡郡中土佐町大野見地域産と2019年産香り米を混ぜて「四万十町産」として304キロ▽通常栽培米を特別栽培米として65キロ―を販売したという。計1385キロのうち1259キロが消費者に渡った。小売販売額は計約64万円。

以下登録記事

高知新聞:2020.11.17 08:35

https://www.kochinews.co.jp/article/414410

農林水産省の立ち入り調査の最中でも偽装をするって一体どうなっているんでしょうね?異常です。

仁井田米ブランドを傷つけたJA高知県

JAとは一体なんのために存在しているのか?その点に尽きる不祥事だと思います。そもそも「JA」とは一体どういう団体なのか。JAから引用します。

JA(農業協同組合)とは

JAとは、相互扶助の精神のもとに農家の営農と生活を守り高め、よりよい社会を築くことを目的に組織された協同組合です。

この目的のために、JAは営農や生活の指導をするほか、生産資材・生活資材の共同購入や農畜産物の共同販売、貯金の受け入れ、農業生産資金や生活資金の貸し付け、農業生産や生活に必要な共同利用施設の設置、あるいは万一の場合に備える共済等の事業や活動を行っています。

JAグループより

https://org.ja-group.jp/about/ja

今回JA高知県がやらかしたことは、農家の営農と生活を貶める行為です。自分たちの掲げた目的とは全く逆のことをした。長年かけて築き上げたブランドを、共に歩んできたであろうJAが踏みつけにしたと言ってもいいでしょう。

こんなことをするJA高知県を農家が信用できるでしょうか?お米を食べる消費者も「JA高知県」が古米を混ぜたり、特別栽培米にそれ以外のお米を混ぜて売りつけるなんて思いもしないでしょう。

今回の不祥事を受けて、JA高知県武政盛博組合長は辞任しました。

JA高知県 仁井田米偽装常態化 武政組合長が引責辞任

JA高知県は13日、高岡郡四万十町のブランド米「仁井田米」の偽装表示問題で、外部調査委員会の報告内容や再発防止策を公表した。報告書は、現場職員らの法令順守の意識が不足し、内部統制システムも存在しなかったとし、偽装表示や不正が常態化していたと指摘した。武政盛博組合長は1月末で引責辞任する考えを表明。後任には秦泉寺雅一副組合長が2月1日付で就任する。

高知新聞:2021.01.14 08:41

https://www.kochinews.co.jp/article/427990/

法令遵守の意識に欠ける現場職員が大勢いるJA高知県内にいた副組合長が後任の組合長になります。組織全体として、偽装表示や不正が常態化していた中からの人選には、疑問が残ります。失われた信用を取り戻す時間は相当かかるでしょう。

最後にひとこと

偽装をきっかけに知った「仁井田米」ですが、私は食べてみようと思います。良いきっかけではありませんが、美味しいなら問題ない。こんなことにめげずに、農家の皆さんには美味しいお米をこれからも作って欲しいです。

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