長年愛用している眉毛はさみがあります。それは恐怖を覚えるほどの切れ味です。しかし一本ずつ切る度、その切れ味に感動するのも事実。今日は、関の刃物の実力を感じさせてくれる日本製の化粧はさみをご紹介します。
日本の刃物のブランド
日本には、古い歴史を持つ「刃物」造りの都市が多くあります。その一つが今回ご紹介する化粧はさみの出身地「関」です。
岐阜県関市の「MADE IN SEKI」ブランド
関市で刃物が造られ始めたのは鎌倉時代で、刀鍛冶の元重が九州から移り住んで始めたと言われています。
移住の理由は、良質な刀を焼く土「焼刃土(やきばつち)」や長良川などの良質な水があって、鍛冶に向いている土地であったという説があり、実際、元重がこの地で刀鍛冶を始めてからは、各地の刀匠が関市に集まり、多くの名刀が生まれました。
関の孫六とは
はさみや包丁を買いに行くと「関孫六」シリーズなどと銘打った商品が並んでいます。
この「関孫六」とは、室町時代後期に活躍した二代目の孫六兼元のことを指し、「関の孫六」として知られています。「二代兼元」が有名です。関の刀の素晴らしさを広めるきっかけになった人物なので、包丁などの刃物製品の冠として使われるようになったのでしょう。
他に、新撰組副長土方歳三が愛用していた「和泉守兼定(いずみのかみ かねさだ)」を鍛えた和泉守兼定など、関市は名刀の名産地だったことが伺えます。
その後、刀の世は終わりましたが、その技術は、私たちの身近で使う包丁やはさみとして今の世に伝えられています。
グリーンベル「ステンレス鍛造化粧はさみ」
こちらが長年愛用している化粧はさみです。
何年も経っているのでケースにも若干の傷みがあります。このケースを取っておいた理由は、外にそのまま出しておくと怪我しそうだと思うほどの切れ味だからです。
化粧はさみの姿をごらんください。非常に美しいです。つや消しなのがまた良い。
刃先のアップです。鋭く尖っています。でもこの間に眉毛を捉えて根元からスパッと切り落とす度に、このはさみの凄さに感動を覚えるのです。
残念ながら、今はもう全く同じ物は売っていません。でも安全を考えた丸くなった物や取手がプラスチックでキャップ付きのものなどがあります。
模造品に注意
関のはさみ、その実力がある意味認められている嫌な証拠ですが、模造品が出回っています。模造品に関する注意も出ています。それによると日本製をうたっているが当然基準を満たさない粗悪品だそうです。
日本製をうたっているが当然基準に満たない粗悪品です。裁判も起こされています。資料によるとパッケージなどを似せているだけの粗悪品の爪切りを中国から輸入、販売していたのは「グリコケミカル株式会社」です。
グリコケミカル株式会社は食品や雑貨などのオリジナルグッズを販売しているそうですが、他者の権利を侵害して粗悪品を販売するなんて非常に悪質ですね。
私はこの会社名の記載されている品物は買わないことにします。許しがたい。
裁判資料も見れます。
最後にひとこと
何年も使っており、磨いてもいないのですが、未だその切れ味に衰えを感じません。刃物なのでいずれは研がないといけないと思うのですが、たまに眉毛を切る程度ではその必要性も極めて少ないようです。非常によく切れます。見つめていると怖いくらいの美しい形状です。正直普通の化粧はさみより割高でしたが、買った事を全く後悔していません。本当に買って良かった化粧はさみでした。