お通じが時々悪くなってしまう私は腸内環境を気にして、ヨーグルトやヤクルト、ビオフェルミン、ザガードコーワなど色々試しています。しかし最近、「酪酸菌」がとても良いと友人から聞いて、酪酸菌の入っている「強ミヤリサン」を勧められたので試すことにしました。
便秘も下痢も改善した方がいい
下痢よりも便秘になりやすい私は、下痢の方がマシだと思っていました。しかし下痢がちな友人に言わせると下痢もお尻への負担は大きく、痔の原因だと言われました。ぶっちゃけ、便秘で硬いうんこさんが肛門を攻撃すると思い込んでいたので恥ずかしい認識不足でした。
酪酸菌とは
というわけで、便秘も下痢も良くないという話をしている時に友人から「酪酸菌がいいんだって」と聞きました。「酪酸」は聞いたことはありますが、「酪酸」を摂取しようと思ったことは一度もありません。というかそもそも「酪酸菌」が何に入っているかさえ知りません。
よってどんな効果効能のある菌なのかも全くわからないので、まず手元にある電子辞書の「サプリメント辞典」で調べてみました。
酪酸
短鎖脂肪酸の一種。腸の粘膜細胞のエネルギー源になり、ぜん動運動を促したり、ガン化した細胞の自殺(アポトーシス)を促して大腸ガンを予防するなどの作用がある。腸を健康に保つ上で欠かせない成分で、ヒトの大腸内で、腸内細菌が食物繊維やレジスタントスターチといった難消化性の食品成分を代謝する際に産出される。草食動物の体内でも作られるため、乳製品にも微量に含まれるが、こうした食品を常識的な量で摂取して得られる酪酸の量は、前述の健康効果を発揮するほどではないとされる。食品添加物としては着香剤として使われる。
サプリメント辞典より
酪酸菌は最近よく耳にする「短鎖脂肪酸」の一つした。「短鎖脂肪酸」と言えば、最近話題になるいわゆる「痩せ菌」の一つです。なるほどそれで「ダイエットにもなる」と友人が言っていたのかと納得しました。そして酪酸菌の力はそれだけじゃないと知ってさらに興味が湧きました。
大腸ガン予防効果
「酪酸」に大腸がん予防効果もあることは知りませんでした。近年の日本人の死亡原因となるがんの種類では、女性は「大腸ガン」が1位、男性は2位になっていますから、予防になるなら「酪酸」を積極的に取ると良さそうです。
がんの部位別統計
2020年の部位別がん死亡数を死因順位別に見ると、トップは男性が肺がん、女性が大腸がんです。
がん罹患数は男女ともに膵臓がんが増加している一方で、男女ともに肝臓がんが減少傾向にあります。また、女性では乳がんが増加傾向にあります。
公益財団法人日本対がん協会より
https://www.jcancer.jp/about_cancer_and_knowledge/がんの部位別統計
認知症と腸内環境の関連性
友人が「認知症」や「パーキンソン病」などの脳の病にも「酪酸」がいいと話していたので調べてみました。するとこんな記事を見つけました。引用します。
うんちを調べれば認知症のリスクが分かる?
糖尿病と認知症は関連が深い。日本が世界に誇る疫学調査である久山町研究では、高血糖が認知症(血管性認知症およびアルツハイマー病)の危険因子であることが示された。いかに認知症を予防するかが大きな課題になっている。
中略
一方、腸内細菌については、糖尿病や肥満、心疾患にも影響すると考えられている。腸内には数百から1,000種類の細菌が生息しており、その構成は年齢や食事などで変化する。 認知症発症との因果関係は不明だが、腸内の細菌状態が脳の炎症を引き起こす可能性が指摘されている。
そこで国立長寿医療研究センターの研究グループは、認知症患者とそうでない患者とのあいだで腸内細菌叢の組成に違いがあるのではないかと考えた。
もの忘れ外来の受診患者から128例(平均年齢 74歳)の検便サンプルを採取して、腸内細菌叢と認知機能との関連を分析した。 研究は、国立長寿医療研究センターもの忘れセンター副センター長の佐治直樹氏らによるもので、詳細は科学誌「Scientific Reports」に掲載された。
中略
その結果、腸内細菌叢の組成の変化が認知症の独立した関連因子であることが明らかになった。 細菌の割合により、エンテロタイプI(バクテロイデスが多いタイプ)、同II(プレボテラが多いタイプ)、同III(その他の細菌が多いタイプ)の3タイプに分類したところ、認知症患者はエンテロタイプIが少なく、エンテロタイプIIIが多かった。
バクテロイデスは、日本人の腸内で多い最近で、日和見菌として分類されることが多いが、最近では腸管免疫で重要な働きをすることも分かっており、人体に有用な作用が期待されている。 詳しく解析したところ、バクテロイデスは、認知症でない患者の45%から検出されたのに対し、認知症患者からは15%にとどまった。また、バクテロイデスが多い患者は、そうでない患者に比べて認知症の罹患率が約10分の1になった。
認知症と食習慣との関連を調査 佐治氏は「今回の研究は症例数が少ない横断研究でありであるため、因果関係を証明するものではない」としながらも、「バクテロイデスの少なさとその他の細菌の多さは、認知症との関連性が高いことが示された」と述べている。
後略
認知症と腸内細菌が強く関連 認知症患者で少ない菌が判明:2019/3/1
https://dm-net.co.jp/calendar/2019/028950.php
腸内環境が認知症と関連しているとなれば、両親に酪酸を飲ませなければと思ってしまいました。
酪酸菌に期待されている効果
腸内環境が整うと健康にとても良いということは知られています。酪酸菌はその手助けをしてくれる成分です。他にも効果があるのではと思って調べてみるとwikiに簡単な効果のまとめがありました。wikiは誰にでも編集できる百科事典なので鵜呑みにはできませんが、参考程度に取り上げておきます。
酪酸菌(らくさんきん、英: butyrate-producing bacteria)は、酪酸を産生する細菌をいう。長寿や免疫との関連、最近では新型コロナとの関連が注目され、プロバイオティクス及びプレバイオティクスのターゲットとして注目される。酪酸菌優位な腸内環境はパイエル板での調節性T細胞(Treg)の分化を促進し、全身の免疫機能を調節する。また健康長寿の老人は酪酸菌が優位であるという報告もある。また酪酸菌優位な人は新型コロナの重症化しにくいという。代表的な細菌としてクロストリジウム・ブチリカム(Clostridium butyricumPrazmowski 1880)が掲げられる。動物の腸内にはもともと存在する菌である。
大腸がんとの関連(酪酸生成能が高いButyrivibrio fibrisolvensをマウスに投与したところ、酪酸生成量が増加し、発癌物質で誘発した大腸前癌病変の形成が抑制され、大腸がんを予防、抑制する可能性が指摘されている)
免疫系との関連(酪酸菌優位な腸内環境は全身の免疫系を調節する能力があると考えられている この作用により、I型アレルギーやリウマチや骨粗鬆症などに対して予防または治療効果があると期待されている)
新型コロナウイルスとの関連(従って酪酸菌を増やす食材を積極的に摂取し、腸内細菌叢を酪酸菌優位にしておけば新型コロナに感染しにくいか、または重症化しにくいと考えられる)
長寿との関連(長寿者が多い京丹後に住む高齢者の腸内細菌を解析したところ、酪酸菌が多く検出されることがわかった。理化学研究所と京都府立医科大学が共同で行った「京丹後長寿コホート研究」が有名である。長寿者の多い地域である京丹後市と、対照群として京都市に住む65歳以上の人の腸内細菌を調べると、統計的に有意差のある腸内細菌のトップ4を占めたのはすべて酪酸菌だった)
潰瘍性大腸炎やクローン病との関連(大腸の難病の一つである潰瘍性大腸炎やクローン病との関連が指摘されている。潰瘍性大腸炎の患者では酪酸菌の一群が特に激減していることを発見した)
生理的ケトーシスとの関連(ケトン食によってケトン体濃度を持続的に増加させると(生理的ケトーシス)、腸内細菌叢が酪酸菌優位になる。これにより調節性T細胞(Treg)が活性化し、アルツハイマー病などの生活習慣病を抑制する)
wiki:酪酸菌より
https://ja.wikipedia.org/wiki/酪酸菌
研究中ですから、まだ不明なことも多いでしょう。しかし便秘や下痢が良くないのは自明の理ですから、まずはそれらの症状が改善してほしいです。そしてついでにでもがん予防効果やアレルギー改善、アルツハイマー病の抑制もしてくれたら嬉しいですね。
でも鼻炎のある人は腸内環境が悪いと聞いたことあるし、時々鼻水が止まらない母に効果が出るといいなあ。というか、骨粗しょう症にも効果あるかもしれないと知って私も期待大です。女性は骨粗しょう症のリスクが高いので飲んだ方がいいサプリメントかも?
ミヤリサン製薬「強ミヤリサン(錠)」
というわけで友人に教えてもらって買った、ミヤリサン製薬の「強ミヤリサン(錠)」です。店頭ではすぐにビオフェルミンやザガードコーワを手に取るため、見向きもしたことがなかったのですが、こんなサプリメントがあったんですねえ。

箱の横

宮入菌末が270mg、添加物として乳糖水和物・トウモロコシデンプン、タルク、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、白糖を有する。と記載されています。
タルクが入っているのか・・・とちょっと驚き、不安を感じました。タルクと言えば、ジョンソンアンドジョンソンの販売しているベビーパウダー(タルクが入っている)が裁判になっていたので・・・。詳しくは個別記事「ベビーパウダーで卵巣がん|ジョンソンエンドジョンソンがタルクの発がん性を知っていた疑惑」を参考にどうぞ。でも薬としてもタルクは使われていますから、製造過程がしっかりしていればそんな心配は無用かな?私は心配性なので気にしましたが。
開けました。中には錠剤入りの瓶と説明書です。330錠入っています。一日9錠なので、36日分ですね。なぜこんな中途半端なんだろう?

一日三回、食後に飲むことになっています。まだビオフェルミンが残っているので比較として並べてみました。

錠剤の大きさをビオフェルミンと比べてみました。少し大きい・・・。この大きさだとビオフェルミンのように一度に飲むのが難しい人もいそうです。私は大丈夫っぽいかな。

1933年に発見された宮入菌(宮入株)
ところで、原材料表記に「酪酸菌」ではなく「宮入菌末」と記載されてことが気になったので調べてみると、発見者の名前が由来でした。
発見者はミヤリサンを製造販売しているミヤリサン製薬株式会社初代社長の宮入近治氏です。なるほどだから「ミヤリサン」だったのですね、と納得しました。
1933年、千葉医科大学(現 千葉大学医学部)において、ミヤリサン株式会社初代社長宮入近治博士は、人の腸内細菌の研究中、腸内腐敗を強く抑制する芽胞(天然のカプセル)菌を発見、宮入菌となずけました。以来、宮入菌は1940年の製造許可を受けてから、今日確かな信頼を得る整腸剤として使用されるに至るまで受け継がれてきました。博士の健康への厳しく真摯なまなざしは、70年近い時を経た現在も、他の追随を許すことなく新たな有効性の研究が続けられています。
http://www.miyarisan.com/history.htm
ミヤリ株は有効性が高く、医療用に使われるようになっており、処方されている人も多そうですね。ちなみに処方されるお薬の名前は「ミヤBM」等です。
そしてヒトだけでなく、動物用、飼料添加用のミヤリサンもあるので幅広く使われている成分でした。
弊社は、初代社長宮入近治により1933年に発見された宮入菌(酪酸菌;学名Clostridium butyricumを、1940年に国内自社開発品として医薬に応用して以来、医療用及び一般用整腸剤として、多くの皆様にご利用頂いてまいりました。宮入菌(酪酸菌)製剤は、抗生物質の服用により現れる下痢など、腸内細菌叢の異常による諸症状の改善のため医療用として役立っております。また、お年寄りから赤ちゃんまで、様々な腸の症状でお悩みの方に、家庭の常備薬としてご愛用頂いております。
さらに、その効果かヒトの健康に役立つ畜産、獣医領域においても応用されております。宮入菌(酪酸菌)は、ビフィズス菌や乳酸菌と異なり、その名の通り腸のなかで発芽、増殖し、酪酸を産生します。この酪酸は腸内のエネルギー源として利用されているほか、腸の環境を安定に維持させ、炎症などから守っています。
今後も宮入菌(酪酸菌)は、その多種多様な特長を活かし、広く世界の皆様のご健康に貢献していくことを願ってやみません。
http://www.miyarisan.com/index.htm
Clostridium butyricumは偏性嫌気性の芽胞形成性酪酸菌であり、10~20%の人の腸管内に常在していることがわかっています。 そのC. butyricum のなかで、MIYAIRI株は1933年に千葉医科大学衛生学教室(現千葉大学医学部)宮入近治博士により、人腸管内より、腐敗菌に対して強い拮抗作用がある酪酸菌として報告されました。 本菌は腐敗菌をはじめとした種々の消化管病原体に対して拮抗作用を有し、BifidobacteriaやLactobacillus等のいわゆる腸内有益菌と共生することにより、整腸効果を発揮します。 さらに、本菌は芽胞形成細菌であることから、製剤中における安定性および胃酸に対する抵抗性が乳酸菌群と比較し高いことが報告されています。
http://www.miyarisan.com/probiotics.htm
飲んでみた感想
まず錠剤が大きくて飲みにくいかな?と思ったのですが、私は一度で飲めました。そして肝心のお通じですが、残念ながら飲んだ翌日はお通じなしで「えっ」となりました。夕食後飲んでいたビオフェルミンから変えただけなんですが・・・。
ひょっとして「合わなかった?」と思ったのですが、その翌日の朝からまたお通じが来ています。でも1日一回だけ。友人は回数が増えたと言っていましたが、私は一回。気になったので電話して聞いてみたら、いつの間にか一日数回出るようになったと言ってました。
私もそのうち一日数回出るようになればいいなあ。というわけで続けてみて、数回出るようになったら追記で報告します。
サプリメントは合う合わないがあります。なのでミヤリサンが合わないときは別の酪酸菌入りサプリメントを試すつもりです。他のサプリ。
武田製薬のビオスリーは酪酸菌、糖化菌、乳酸菌が入っています。これも一度は試してみたいな。
最後にひとこと
酪酸菌がダイエットになるだけでなく、大腸がん予防効果があり、その上脳にも良い働きをするのなら根気良く続けてみたいと思います。

