韓国の食品大手といえば「農心」で、店頭で「辛ラーメン」をみたことのある人も多いでしょう。そんな「農心」が製造、輸出したインスタントラーメン「へムルタン麺」から発がん性物質が検出され、欧州ではすべての製品がリコール、販売停止になりました。正直なところ驚きは全くありませんでしたが、「農心」のラーメンは日本国内では沢山売られているので取り上げておきます。
「農心」のインスタントラーメンから発がん性物質
まずはソースをどうぞ。
辛ラーメンで有名な韓国食品大手「農心」がヨーロッパに輸出した「ヘムルタン麺」で発がん性物質が検出され、生産されたすべての製品が販売中止になった。1級発がん物質であるエチレンオキサイド(Ethylene oxide)が基準値以上に検出されたためである。
欧州連合の食品飼料迅速警報(RASFF)システムは、ヨーロッパ各国に対し、農心の「ヘムルタン麺」の回収とリコールを指示した状況である。韓国各紙も報じている。
12日、RASFFによると、ドイツでは販売されている農心の「ヘムルタン麺(seafood ramyun)」から発がん物質であるエチレンオキサイドが検出したと発表した。 「ヘムルタン麺」から検出されたエチレンオキサイドは、EUの基準値である0.05ppmを148倍以上超える規模だった。これにRASFFは、その日から生産された製品を直ちに販売中止してリコールを実施するよう、8月6日、欧州各国に通報した状態だ。
リコール対象製品は、それぞれ賞味期限が2022年1月27日の製品と2022年3月3日の「ヘムルタン麺」全量である。
今回検出されたエチレンオキサイドは、殺菌や消毒用に使用される化学物質である。人体に非常に危険な物質として有名だが、国際がん研究機関(IARC)は、エチレンオキサイドを1級発がん物質と規定している。少量でも持続吸引すると、発がんの可能性が高くなるという研究結果もある。
これに対して農心側は、現在までにエチレンオキサイドの流入経路を把握していない状態だ。
一方、リコールの対象とされた日付以外の「ヘムルタン麺」は引き続き流通できるが、農心のブランドへのダメージは避けられない見通しだ。
コリア・エコノミクス
http://korea-economics.jp/posts/21081305/
別のソースもどうぞ。
韓国では、同じ国産ラーメン製品であるにもかかわらず、海外輸出用製品の材料のほうがはるかに多いという指摘が提起される中、輸出用から有害物質が検出された。
13日、食品医薬品安全処(食薬処)は、ノンシム(農心)プサン(釜山)工場とパルド(八道)イチョン(利川)工場でそれぞれ製造し、ドイツへ輸出する‘農心輸出盛り合わせ海鮮タンメン(湯麺)’と‘八道ラッポッキ米州用‘から毒性物質の‘2-クロロエタノール’が検出されたという情報を入手し、当該会社に対する現場調査を実施して製品をすべて回収したと発表した。
2-クロロエタノールは、発ガン物質であるエチレンオキサイドの代謝産物で、皮膚に吸収されると毒性症状が現れるが、発ガン性はない物質に分類される。
調査の結果、両製品とも全量が輸出され、国内には流通・販売されなかった。
食薬処は、農心盛り合わせ海鮮湯麺については、輸出用原材料の小麦粉、野菜ミックス、粉末スープ、内需用完成品を現場で回収し、八道ラッポッキについては、保管中の内需用・輸出用完成品を回収し、2-クロロエタノールの検査を行っている。
食薬処は「両社の輸出用・内需用の製造工程は同じだが、麺と粉末スープ、野菜ミックス(液状スープ)など、一部原材料の構成には違いがある」と説明した。
ワウコリア:2021/08/13 22:01配信
https://www.wowkorea.jp/news/Korea/2021/0813/10311153.html
国内用と輸出用は原材料が違う問題があるそうです。輸出用では一体何を増やして売ってるんでしょうね・・・。
日本でも売られているヘムルタン麺
欧州に輸出されているということから、日本国内でも売られているか検索したところ「へムルタン麺」がありました。ドイツで発見されたものと同じかどうかは不明です。
しかし日本へ輸出されたへムルタン麺を検査をしたとか回収したという報道はまだありませんので、食べない方がいいでしょう。食べたい人は安全かどうか確認した上でどうぞ。
殺菌・消毒用の化学物質
コリアエコノミクスの記事を読んでわかることは、今回検出されたエチレンオキサイドは「殺菌や消毒に使用される化学物質」であることで、食品に添加されるものではないようです。手元の電子辞書で調べました。
エチレンオキサイド とは
環状エーテルの一つ。分子式C2H4O芳香のある無職の気体。エチレンを触媒の存在下で酸化して合成する。石油化学工業における重要な中間体で、エチレングリコールや界面活性剤(ポリエチレンオキシド)の製造に用いる。酸化エチレン。
広辞苑より
この説明だけではいまいちなのでネットで調べたところ、三菱ケミカルに説明文がありました。引用します。
酸化エチレン(エチレンオキシド)
きわめて反応性が高いため、他の有機物質を合成する時の中間体として用いられる。また、殺菌力が強く、医療機器、精密機器の殺菌剤としても用いられる。
CAS:No.75-21-8
EINECS:No.200-849-9
化審法:No.2-218
毒物劇物取締法:劇物
https://www.m-chemical.co.jp/products/departments/mcc/c2/product/1200270_7112.html
この説明を読む限り、今回の件は、製造工場を殺菌、消毒するために使用したエチレンオキサイドが混入、残存してしまった?あるいは、食品の殺菌に使用していた?と推察します。
食品工場の消毒方法に問題がありそう
そもそも食品を扱う工場の消毒に、発がん性物質を使うことに問題があるのではないでしょうか。
web検索でざっと調べてみたところ、食品工場で行われる消毒や殺菌はアルコールスプレーが多く、エチレンオキサイドは滅菌ガーゼなどの医療機器製造過程、ガス滅菌で使われることが主流のようです。
しかし滅菌するために使うエチレンオキサイドガスも使用には注意が必要で、簡単に使用できる代物ではありません。となると、ますます、韓国の工場内で「エチレンオキサイド」がどういう理由で使用され、食品に入ったのか謎です。
他のメーカーの食品工場でも使われていないか調べた方が良いと思います。
回収された商品の行方に注意
今回、欧州で全て販売中止になった商品の行方がとても気になります。というのも、韓国は他国で有害だとして回収された製品を国内販売していた事例があるからです。詳しくは個別記事「危険な韓国製子供服・日用雑貨|基準値の数百倍の鉛やアレルギー物質検出」を参考にしてください。
この件では自分の子供、あるいは知り合いの子供が被害にあうことを考えないのかと呆れました。しかし、今回は回収したものを別の国で売り捌かないかもチェックすべきでしょう。要警戒です。
発がん性物質検出は初めてではない「農心」
実は「農心」のこの手のトラブルは初めてではありません。2012年にはすでに大騒ぎになっています。ソースはこちら。
辛ラーメンの農心、ラーメンスープから発ガン性物質を検出=韓国
辛ラーメンで知られる韓国の食品会社・農心が販売するラーメンやうどんなど6種類のスープから、発ガン性物質のベンゾピレンが検出されたことが明らかになった。韓国のテレビ局MBCによる報道をもとに、複数の韓国メディアが24日、相次いで報じた。
ベンゾピレンは約350~400度の高温で、食品を調理または製造する過程において、炭水化物やタンパク質、脂肪などが不完全燃焼された場合に生成される物質。世界保健機関(WHO)傘下の国際がん研究所は、1級発がん物質に分類しており、人体に蓄積された場合はガンを誘発し、突然変異を起こす環境ホルモンとされている。
韓国メディアは、「農心、発ガン物質ベンゾピレン検出」「農心“たぬき”で1級発がん物質検出、製品を回収するかどうか検討中」などと題し、農心のラーメンやうどんの6製品から発がん性物質であるベンゾピレンが検出したことが確認され、衝撃を与えていると伝えた。
韓国の食品医薬品安全庁が6月、農心をはじめ、国内に流通するラーメン・うどん製品のスープ30種を調査した結果、農心では「ノグリ(たぬき)」袋ラーメンやカップ麺の「セウタン・クンサバルミョン(エビスープの大きなどんぶり麺)」など、人気の高い商品からベンゾピレンが検出された。しかし、この結果に対し、食品医薬品安全庁と農心側は回収措置を取らなかったと報道された。
これに対し、食品医薬品安全庁は「食用油の場合はベンゾピレン検出量の基準が決まっているが、ラーメンのスープにはこのような基準がなかった」とし、「世界的に加工食品にベンゾピレンの基準を設定している国はないのが実情。人体に危害が生じない程度に安全である」と説明。
一方、農心側は、「スープから微量のベンゾピレンが検出されたことを問題にすることはできない」としながらも、「6月に食品医薬品安全庁の通報を受けて生産工程を2カ月間停止し、調味料の納入業社を変更した」と説明した。
また、農心の関係者は、今後、問題の製品を回収するかどうかについて「製品が安全だと判断して販売を続けていた。人気の商品だけに、会社の経営陣は回収するかどうかを議論しており、まだ決定していない」と述べたという。(編集担当:李信恵・山口幸治)
ライブドアニュース:2012年10月24日 13時6分
https://news.livedoor.com/article/detail/7074564/
しかしこの件に関しては「農心」が一方的に悪いとは思いません。というのも、記事の後半にも記載がありますが「基準値が設定されていない」状況だったとあるからです。
これは日本を含む世界でもよくあることで、「基準値」が設定されていないと検査対象にならないことさえあります。とは言え、「発がん性物質」は少量で人体に影響がなくても食べたく無いのが人情です。それ故に、食品に関しては厳しい基準を作って管理してほしい。
韓国の製品管理は甘い
2012年当時、世界的に「基準値」設定がないもので責めるのは気の毒だと思うものの、それがあったとして韓国を信用できるかどうか?消費者としてはそれが一番気になることで、そしてその心配は当たっています。
先述したように韓国では他国で回収対象になった有害な製品を国内で売り捌いて儲ける行為が横行しています。詳しくは個別記事「危険な韓国製子供服・日用雑貨|基準値の数百倍の鉛やアレルギー物質検出」をどうぞ。
他にもまだあります。禁止されている成分ムスクケトンが流出して水が汚染され、奇形の魚が発生していたりもします。何のための規制なのでしょうか。詳しくは個別記事「奇形魚が泳ぐ糞尿汚染の海|食中毒防止のため韓国産水産物の検疫強化へ」をどうぞ。
韓国の女性ですら警戒しているのが韓国コスメです。この記事の後半で「広告を信用しない」韓国女性について触れています。参考にどうぞ。
インスタント食品との付き合い方を見直す契機に
私のように「農心」を食べることがない、食べたことがない人は、今回のトラブルを機会に、自分がどれくらいインスタント食品を食べているか振り返ってみてはどうでしょうか?
手軽で安価、しかも美味しい。私もよく食べている方だと思います。しかしながら「健康」に気を付けたいならば、毎日食べているのなら少し自制した方が良いでしょう。私も少し減らそうと思います。
そして出来るならば、日本の法律で管理されている国内メーカーのものを選んでほしい。もちろん、国内メーカーでもトラブルはありますが、それでも工業用の殺菌剤を食品工場で使うようなことは流石に無いだろうと思うので。
最後にひとこと
私は韓国産のインスタント食品より、国内メーカーのインスタント食品を選びます。国産材料だけのものもあり、おすすめです。